ダウ続落208ドル安、利上げ加速懸念

 
13日のNYダウ工業株30種平均は4日続落し、前日比209ドル79セント安の3万0771ドル54セントで終えた。
 
米労働省が朝方発表した6月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比9.1%上昇し、約40年半ぶりの伸びを示した。伸び率の加速は2カ月連続で、市場予想も上回った。市場では「インフレを抑制するためには、さらに積極的な金融引き締めが必要になる可能性がある」との声が上がり、7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、通常の4倍に当たる1%の大幅利上げに踏み切るとの観測も浮上した。
 
景気への懸念から長期金利が低下したのを受け、金利低下局面で買われやすいハイテク株はプラス圏で取引される時間帯も多かったが、引けにかけて売りが優勢となった。利上げ警戒でダウ平均は下げ幅を一時460ドル超に広げた。
 
売り一巡後は急速に下げ渋り、ダウ平均は前日終値付近まで戻す場面もあった。CPIの発表直後は3%台に上昇した米長期金利が一時2.89%まで水準を下げ、株式相場の一定の支えとなった。市場では「6月のCPIは足元のガソリン価格低下を映していない」(ボケ・キャピタル・パートナーズのキム・フォレスト氏)との声も聞かれ、7月はインフレ圧力が和らぐとの楽観が広がったようだ。
 
景気敏感株が売られ、航空機のボーイングや化学のダウ、機械のハネウェル・インターナショナルが安い。10年物国債利回りが2年債利回りを下回る「逆イールド」が一段と進み、利ざや悪化懸念で金融株も売られた。半面、ディフェンシブ株は買われ、日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)や外食のマクドナルド、製薬のメルクが高い。
 
ナスダック総合株価指数は小幅に3日続落し、前日比17.146ポイント安の1万1247.582で終えた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
30,772.79-208.54
S&P500種
3,801.78-17.02
ナスダック
11,247.582-17.146
FTウィルシャー5000
38,589.97-159.43
NY金(ドル/トロイオンス)
1,735.50+10.70
NY原油(ドル/バレル)
96.10-0.20
円・ドル
137.34 – 137.36+0.30
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

13日のシカゴ日経平均先物は小幅に上げた。9月物は前日比50円高の2万6485円で引け、13日の大取終値を45円上回った。朝方発表の6月の米消費者物価指数(CPI)が約40年半ぶりの高い伸びを示し、利上げ加速への懸念から売りが先行した。売り一巡後は米長期金利の低下を受けて米株が下げ渋るにつれ、日経平均先物は買われた。
 
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
26485 ( +45 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
26525 ( +85 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7156.37(-53.49)
13日のFTSE100種総合株価指数は6営業日ぶりに反落し、前日に比べ53.49ポイント(0.74%)安の7156.37で引けた。インフレ抑制のための欧米の中央銀行の金融引き締めが世界的な景気悪化を招くとの懸念から、資源株や金融株、資本財株など景気敏感セクターの売りにつながった。FTSEでは、資産運用大手アバディーンが5.0%安となり、下落率が最大だった。指数構成銘柄の約7割がマイナスだった。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12756.32(-149.16)
13日のドイツ株価指数(DAX)は反落した。前日に比べ149.16ポイント(1.16%)安の1万2756.32で終えた。6月の米消費者物価指数(CPI)の伸び率が市場予想を上回ったのを受けて、高インフレの継続が改めて意識された。インフレと欧州中央銀行(ECB)の金融引き締めが欧州景気を悪化させるとの見方から、自動車株やハイテク株など幅広いセクターに売りが出た。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6000.24(-43.96)
フランスCAC40種指数は0.73%安だった。
伸び率が40年半ぶりの高水準となった米消費者物価指数(CPI)を受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)が積極的な利上げ方針を維持するとの見方が広がり、株価の重しとなった。

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