ダウ続落180ドル安、米利上げ長期化懸念

16日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比180ドル65セント(0.5%)安の3万4765ドル74セントで終えた。7月中旬以来、約1カ月ぶりの安値。

この日明らかにされた米小売り大手ターゲットの四半期決算は大幅な増益。今週の同業大手ウォルマートの決算公表を控え、小売り銘柄に買いが入り、取引序盤のダウは堅調に推移した。
午後に7月のFOMC議事要旨が明らかになり、大半の参加者がインフレには「大幅な上振れリスク」があると懸念していることが判明。米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締め長期化への警戒感が強まる中、米長期金利上昇を眺めてハイテク株を中心に売りが膨らみ、取引終盤のダウは軟調に推移した。

市場では「タカ派寄りな内容と受け止められた」との声があり、議事要旨を受けた売りが広がった。
「今年はハイテク株主導で上がってきたため、急ピッチな金利上昇が大きな下押し圧力になっている」との指摘が聞かれた。

米長期金利の指標である10年債利回りが一時、前日比0.07%高い4.28%と昨年10月以来の水準に上昇し、株式の相対的な割高感も意識された。
ダウ平均ではイスラエルの半導体受託生産会社の買収を断念すると発表した半導体のインテルの下げが目立った。中国当局の承認が得られなかったとみられ、半導体を巡る米中関係の対立激化が嫌気された。ダウ平均の構成銘柄ではないが、同業のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)などに売りが波及した。

ゴールドマン・サックスなど金融株への売りも続いた。米長期金利の先高観が強まるなか、高PER(株価収益率)のハイテク株も全般に売られた。

ダウ平均は高く推移する場面もあった。ダウ平均の構成銘柄ではないが16日に決算を発表した小売りのターゲットが上昇し、ダウ銘柄ではホームセンターのホーム・デポなど消費関連銘柄の一角が買われた。

ナスダック総合株価指数は続落し、前日比156.419ポイント(1.1%)安の1万3474.628で終えた。6月下旬以来の安値だった。中国での高級モデルの値下げと米国での高級モデルの廉価版発売が明らかになった電気自動車のテスラが安い。ネット通販のアマゾン・ドット・コムや交流サイトのメタプラットフォームズも売られた。

 


【シカゴ日本株先物概況】

16日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前日比250円安の3万1690円で終えた。同日発表の7月分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受けて追加利上げの長期化懸念が広がり、米株式相場が下落した。東京株式市場で日経平均株価が下げたこともあり、シカゴ市場でも先物に売りが優勢となった。

シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
31690 ( -40 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
31705 ( -25 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7356.88(-32.76)

16日のFTSE100種総合株価指数は4日続落。前日に比べ32.76ポイント(0.44%)安の7356.88で終えた。連日で1カ月ぶりの安値を付けた。16日発表の7月の英消費者物価指数(CPI)はエネルギーと食品などを除くコアの伸びが市場予想を上回った。前日の英労働統計で賃金の伸びが加速したのに続き、イングランド銀行(英中央銀行)の追加利上げ観測を高める内容だった。利上げが景気を冷やすとの警戒感が重荷だった。銀行や商業・専門サービス、エネルギーセクターが売られた。

FTSE100の構成銘柄のうち7割が下落した。このうち、品質検査会社インターテックが1.19%安、保険会社セント・ジェームズ・プレイスが1.01%安、水道サービス会社ユナイテッド・ユーティリティーズ・グループは1.00%安だった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15789.45(+22.17)

16日のドイツ株価指数(DAX)は反発した。前日に比べ22.17ポイント(0.14%)高の1万5789.45で取引を終えた。前日に約1カ月ぶりの安値水準まで下落しており、主力銘柄の一部に値ごろ感からの買いが入った。テクノロジーや金融、小売りセクターの一角が買われた。
個別では、スポーツ用品大手アディダス(2.97%高)やミュンヘン再保険(1.23%高)などが買われた半面、防衛大手ラインメタル(3.81%安)や製薬大手バイエル(1.68%安)などが売られた。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7260.25(-7.45)

フランスCAC40種指数は0.10%安だった。
中国の軟調な経済指標を背景に同国の経済成長鈍化に対する懸念が生じ、銀行や小売などを中心に欧州株式市場は下落した。

 

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