ダウ続落144ドル安 積極的な金融引き締めを警戒

6日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比144ドル67セント(0.4%)安の3万4496ドル51セントで終えた。
 
米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを積極化するとの観測が重荷だった。早朝には長期金利が一時2.66%まで上昇し、金利上昇で相対的な割高感が意識されやすいハイテクなど高PER(株価収益率)銘柄が売られた。ただ、FRBが午後に3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を開示すると材料出尽くしで下げ渋る場面もあった。
 
前日のブレイナードFRB理事のタカ派発言が重しとなり、6日も寄り付きから売りが先行。市場では、急速な金融引き締めが景気を過度に冷やすことへの懸念が広がっている。ブレイナード氏は、量的緩和策で膨らんだFRBの総資産について、「月950億ドルの削減が適切だ」との見方で参加者がおおむね合意していたことがわかった。
 
前回2017~19年の資産圧縮は月100億ドルで始め、段階的に500億ドルに増やしたが、それを大幅に上回るペースとなる。利上げは多くの参加者が「インフレ圧力が強まれば1回か、それ以上の回数にわたり0.5%の利上げが適切になる」と指摘した。
 
市場では「想定通りのタカ派的な内容だった」との声が聞かれた。ダウ平均は議事要旨の公表直後に364ドル安とこの日の安値を付けたが、その後は下げ幅を急速に縮める場面があった。前日にFRBのブレイナード理事が講演で「資産圧縮のペースは急速になる」と強調していたため、ひとまず材料出尽くしとみた買いが入ったようだ。
 
長期金利上昇を嫌気してハイテク株が売られた。顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムとソフトウエアのマイクロソフトはともに4%下げた。クレジットカードのビザやスポーツ用品のナイキ、映画・娯楽のウォルト・ディズニーなど消費関連株も安い。
 
半面、業績が景気の影響を受けにくいディフェンシブ株は買われた。医薬品・日用品のジョンソン・エンド・ジョンソンやバイオ製薬のアムジェンが上昇し、ダウ平均を下支えした。
 
ナスダック総合株価指数は続落した。前日比315.351ポイント(2.2%)安の1万3888.817で終えた。連日で2%を超える大幅な下げとなった。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体株の下げが目立った。電気自動車のテスラも安い。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
34,496.51-144.67
S&P500種
4,481.15-43.97
ナスダック
13,888.817-315.351
FTウィルシャー5000
45,648.49-502.65
NY金(ドル/トロイオンス)
1,923.10-4.40
NY原油(ドル/バレル)
97.58+1.35
円・ドル
123.89 – 123.91+0.01
 


【シカゴ日本株先物概況】

6日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前日比410円安の2万7110円で引け、6日の大取終値を320円下回った。
6日に発表した3月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を手掛かりに、当局は積極的な金融引き締めを実施するとの見方が広がり、売られた。米長期金利の上昇がハイテク株を下押したことも弱材料だった。
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
27110 ( -320 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
27150 ( -280 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7587.70(-26.02)
6日のFTSE100種総合株価指数は4営業日ぶりに反落した。前日に比べ26.02ポイント(0.34%)安の7587.70で引けた。対ロ追加制裁が欧州経済の成長を下押しするとの見方から、投資家心理が悪化した。
FTSEでは、指数構成銘柄の約7割が下落。資産運用会社インターメディエイト・キャピタル・グループ(6.3%安)や金融大手ロイズ・バンキング・グループ(2.4%安)など金融関連株の下げが目立った。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14151.69(-272.67)
6日のドイツ株価指数(DAX)は大幅に続落し、前日比272.67ポイント(1.89%)安の1万4151.69で終えた。米金融引き締めの加速やロシアに対する追加経済制裁がドイツ景気の減速につながるとの警戒感から、幅広い銘柄に売りが出た。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6498.83(-146.68)
フランスCAC40種指数は2.21%安だった。米国の急速な金融引き締めやウクライナ情勢への警戒感から売りが優勢となった。

 

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