5日のNYダウ工業株30種平均は小幅に続落し、前日比13ドル02セント安の2万5806ドル63セントで終えた。
株価は前日の終値を挟み、終日小動きで推移した。ポンペオ米国務長官は米テレビ局のインタビューで、対中貿易協議について「トランプ大統領は(内容が)完璧でなければ合意しない」と発言。同時に、合意に向けた取り組みを米政府が進めるとも強調した。このため、投資家の間では米中貿易交渉の行方をめぐり期待と不安が交錯した。
中国政府の経済成長率の目標引き下げを受けて、中国事業の比率が高い銘柄が売られ相場の重荷となった。工業製品・事務用品のスリーエム(3M)や建機のキャタピラーなど中国売上高比率が高い銘柄が売られた。
一方、良好な米経済指標や米小売決算が好感され、ダウ平均は小幅に上げる場面もあった。2月のサプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数は市場予想以上に上昇し、昨年12月の新築住宅販売件数は2カ月連続で増えた。小売大手のターゲットとコールズが発表した四半期決算では既存店売上高がともに市場予想を上回った。見通しも強気と受け止められ、2社だけでなく幅広い小売り株が上げた。
市場では「好悪材料が入り交じり、効果を打ち消し合った」との声が聞かれた。
セクター別では、メディアや消費者・サービスが上昇する一方で資本財や耐久消費財・アパレルが下落した。
ナスダック総合株価指数も小幅に続落し、同1.206ポイント安の7576.361で終えた。
NYダウ工業株30種(ドル)
25,806.63-13.02
S&P500種
2,789.65-3.16
ナスダック
7,576.361-1.206
NY金(ドル/トロイオンス)
1,284.70-2.80
NY原油(ドル/バレル)
56.28-0.31
円・ドル
111.86 – 111.87-0.02
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は横ばい。3月物は前日と変わらずの2万1685円で引け、5日の大取終値を65円下回った。
米中貿易協議の行方を見極めたい市場参加者が多く、米株と円相場をにらみ、動意薄の展開となった。円安は追い風だったが、中国景気の減速懸念は重荷だった。
この日の安値は2万1655円、高値は2万1830円。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
21685 ( -65 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
21690 ( -60 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7183.43(+49.04)
FTSE100種総合株価指数は幅広い銘柄に買いが入り3日続伸した。前日4日の終値に比べ49.04ポイント高の7183.43で引けた。この日のFTSE100指数は高寄り後、7100台の前半から半ばで方向感なく推移。しかし、午後に入ってドル高となり、ポンドが圧迫されるとFTSE100指数も上昇し、午後4時ごろには10日ぶり高値となる7191.65を付けた。
構成銘柄の約8割が上昇した。
個別銘柄では、ギャンブル事業のGVCホールディングスが7%高と、急上昇した。通期決算の発表と同時に英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる混乱の可能性に備え、拠点をアイルランドに移す計画を発表したことが買い材料視された。
ディフェンシブ銘柄とされる時価総額の大きいたばこ株や医薬品株、公益株が上げた。
引けにかけて値上げ幅を縮めたものの、社債発行による資金調達の計画を発表した携帯電話サービスのボーダフォン・グループは終日買いが優勢だった。
半面、品質検査会社のインターテック・グループは3.7%安や、銀行のロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)と英民放大手ITVは各2.4%安。小売りのマークス・アンド・スペンサー(M&S)は2.2%安など個別銘柄への売りが散見された。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11620.74(+28.08)
ドイツ株式指数(DAX)は反発した。終値は前日4日と比べて28.08ポイント高の11620.74だった。
個別銘柄では、日用品のバイヤースドルフが指数の上げを主導した。前日下落した透析器大手のフレゼニウス・メディカル・ケアは買い戻された。一方、ダイムラーなど自動車関連株が軟調だった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5297.52(+10.95)
