18日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比54ドル99セント安の2万1574ドル73セントで終えた。
主要金融決算が嫌気され、金融セクターを中心に売りが先行した。四半期決算を発表した金融のゴールドマン・サックスが下げ、指数を押し下げた。
昨日、共和党上院が医療保険制度改革(オバマケア)の代替法案の採決を断念したことで、減税法案など重要法案の成立期待が後退したほか、政権運営への懸念が高まり軟調推移となった。一方、主力のハイテク株は買われ、ナスダック総合株価指数は最高値を更新した。
ゴールドマンが発表した2017年4〜6月期決算の1株利益は市場予想以上だったが、主力の売買仲介(トレーディング)部門の利益が前年同期比で大幅に減った。債券や外国為替、商品などのトレーディング収益は40%減となり、先行きへの警戒感が売りを誘った。ゴールドマン株は2.6%安と1銘柄でダウ平均を40ドル超押し下げた。
トランプ米政権が公約に掲げるオバマケア見直しを巡り、見直し法案に反対する与党・共和党議員が増え、共和党指導部が早期採決を断念した。
景気刺激策の実現が難しくなったとの見方から、米長期金利が大幅に低下。貸出金利と預金などの調達金利との差にあたる利ざや拡大への期待が後退したことも金融株への売りを誘った。ダウ平均は下げ幅を160ドル近くに広げる場面があった。
一方、金利上昇が逆風になるとの見方から売られていた投資指標が相対的に割高なアマゾン・ドット・コムやフェイスブック、グーグルの持ち株会社アルファベットなど主力のハイテク株は買われた。アップルも買われ、ダウ平均は下げ幅を縮小した。
ナスダック指数は8日続伸し、前日比29.874ポイント高の6344.305と6月8日以来ほぼ1カ月ぶりに最高値を更新した。8日続伸は2015年2月24日までの10日続伸以来の連続記録。前日発表した四半期決算を受け目標株価の引き上げなどが相次いだ動画配信のネットフリックスが急伸し、主力株への買いを誘った。
S&P500種株価指数も最高値を更新した。
セクター別では、小売や家庭用品・パーソナル用品が上昇する一方で電気通信サービスや食品・生活必需品小売が下落した。
個別では、オートバイメーカーのハーレー・ダビッドソン(HOG)は決算内容が嫌気され下落した。アナリストの投資判断引き下げを受け半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイスも下げた。
一方、動画配信サービスのネットフリックス(NFLX)は決算で契約者数が予想を上回る大幅な増加となったほか、一部アナリストによる投資判断引き上げを受けて大幅上昇となり、株価は過去最高値を更新した。ネットフリックスに加えフェイスブック、アマゾンが上場来高値を更新。
NYダウ工業株30種(ドル)
21,574.73−54.99
S&P500種
2,460.61+1.47
ナスダック
6,344.305+29.874
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は下げた。9月物は前日比65円安の1万9970円で引け、18日の大取終値を10円下回った。
米上院で医療保険制度改革(オバマケア)の代替法案が再び頓挫した。トランプ政権による経済政策の遂行を難しくするとの見方から円が上昇し、日本株の重荷となった。この日の9月物安値は1万9890円、高値は2万0075円。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
19970 ( -10 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
20000 ( +20 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7390.22(−13.91)
FTSE100種総合株価指数は反落した。前日終値に比べ13.91ポイント安の7390.22で引けた。構成銘柄の半数以上が下落した。
午後にかけて銀行株に売りが広がり、指数を押し下げた。
欧州の長期金利低下に連れて銀行株が売られた。バークレイズを筆頭に全面安となった。保険株も軒並み下げた。
半面、不動産投資信託(REIT)のブリティッシュ・ランドが大幅上昇した。3億ポンドの自社株買い計画の発表が好感された。同業のランド・セキュリティーズやバラット・ディベロップメンツなど住宅建設株にも買いが波及し上げた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12430.39(−156.77)
ドイツ株式指数(DAX)は大幅に3日続落した。終値は前日比156.77ポイント安の12430.39だった。午後にかけて売りが膨らみ、全面安で引けた。
欧州の長期金利低下を受けてドイツ銀行が大幅下落した。コメルツ銀行のほか、化学のBASFと工業用ガスのリンデも安かった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5173.27(−56.90)
