ダウ続落し362ドル安 8カ月ぶり下げ幅、金利上昇を受けた利益確定の動き

30日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比362ドル59セント安の2万6076ドル89セントで終えた。下げ幅は2017年5月17日以来8カ月ぶりの大きさ。
世界的な金利上昇への警戒感からアジア・欧州株が全面安となり、米国株にも売りが先行した。先行き不透明感からポジションを手仕舞う動きが散見され、終日軟調推移となった。原油相場の下落が嫌気されたほか、今晩のトランプ大統領による一般教書演説の内容を見極めたいとの思惑も広がった。
 
米長期金利の指標となる10年物国債利回りは一時2.73%まで上昇した。市場では「金利上昇が加速すれば株式への投資妙味が薄れるとの思惑が出た」という。ダウ平均は下げ幅を411ドルまで広げる場面があった。
 
医療保険関連が軒並み下げ、相場の重荷となった。アマゾン・ドット・コム、JPモルガン・チェース、バークシャー・ハザウェイの3社が30日、共同で米従業員向けのヘルスケア企業を設立すると発表した。競争激化への懸念からメットライフが9%安、ユナイテッドヘルス・グループが4%安などとなった。ユナイテッドヘルスは1銘柄でダウ平均を74ドル押し下げた。
また、原油先物相場の下落を受け、エネルギー株の下げが目立った。シェブロンとエクソンモービルの2銘柄でダウ平均を30ドルあまり押し下げた。
年初から相場上昇が続いたが、イベントを前に利益確定売りが出やすかった。
 
ナスダック総合株価指数は前日比64.023ポイント安の7402.482で終えた。マイクロソフト、アップル、アルファベットが下げ、ヘルスケア関連株や半導体株などへの売りも相場の重荷だった。
 
セクター別では、家庭用品・パーソナル用品や公益事業が上昇する一方で食品・生活必需品小売やヘルスケア機器・サービスが下落した。
 
個別では、朝方に市場予想を上回る2017年10~12月期決算を発表した外食のマクドナルドには、前日に高値を付けた後で材料出尽くしとみた売りが優勢だった。大型バイクのハーレーダビッドソン(HOG)は販売の落ち込みを嫌気した売りに押された。バッテリーなどを担当した技術者の退社が報じられた電気自動車のテスラも売られた。
 
 一方、交流サイトのフェイスブック(FB)は、仮想通貨関連の広告を禁止する方針を明らかにして買われた。大手3社でヘルスケアを手掛ける新会社を設立すると発表したアマゾン・ドット・コムは買いが優勢となった。
 
VIX指数は14.79と上昇(前営業日13.84)。米株は、アップルのi Phone10減産観測を受けた昨日来の軟調な推移を引き継いだほか、本日はヘルスケア業界の再編が、既存企業の収益に打撃を与えるとの見方がさらなる株価押し下げ要因となり大幅続落となった。
VIX指数は一時13.42と昨年8月18日以来、5カ月ぶり以上となる水準へ上振れた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
26,076.89-362.59
S&P500種
2,822.43 -31.10
ナスダック
7,402.482-64.023
 
米10年債利回り(%)
2.7217 +0.023
米2年債利回り(%)
2.1283 +0.004
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,340.00              -5.10
NY原油(ドル/バレル)
63.99-1.57
円・ドル
108.78 – 108.79   +0.03

 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は続落した。3月物は前日比345円安の2万3190円で引け、前夜の大取終値を70円下回った。

米長期金利の上昇を嫌気して米株が大幅に下げ、日本株も連れ安した。市場は30日夜のトランプ米大統領の一般教書演説や、31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表、2月2日の米雇用統計に注目している。
この日の3月物安値は2万3095円、高値は2万3585円
 
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
23190 ( -70 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
23215 ( -45 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7587.98(-83.55)
FTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反落した。前日終値に比べ83.55ポイント安の7587.98で引けた。世界的に株安傾向となる中、午後に入り、米株の下落に連れて売りが膨らみ下げ幅を広げた。今年に入ってから最高値を更新するなど上昇基調が続いていたことから、利益確定の売りが出やすかった。銀行株と資源株を中心に構成銘柄の約9割が下落した。
個別では、バークレイズ、スタンダードチャータード銀行、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)が大幅下落した。
 
株価指数への寄与度が高い鉱業株と石油株はともに全面安。前日上昇したこともあり、利益確定の売りなどで下落した。
半面、日用品のレキット・ベンキーザーと飲料のコカ・コーラ・ヘレニック・ボトリング、情報・出版のインフォーマが高くなった。
 
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13197.71(-126.77)
ドイツ株式指数(DAX)は大幅続落。終値は前日比126.77ポイント安の13197.71だった。世界の主要株式相場が下落する中、幅広い銘柄に売りが広がった。構成銘柄の約8割が下落した。
ドイツ銀行、電力のRWEが大幅下落した。営業支援ソフトを手掛ける米企業を買収すると発表したITのSAPも安かった。一方で透析器大手のフレゼニウス・メディカル・ケア、消費財のヘンケルなど7銘柄が上昇した。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5473.78(-47.81)

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