ダウ続伸91ドル高、ナスダックは反落

7日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比91ドル74セント(0.3%)高の3万3665ドル02セントで終えた。
目新しい売買の材料を欠くなか、出遅れ感があった景気敏感株を中心に資金が流入し、ダウ平均を支えた。半面、これまで相場をけん引してきたハイテク株の一角は下げ、相場の重荷となった。

カナダ銀行(中央銀行)はこの日、主要政策金利を0.25%引き上げると発表した。過去2回は連続で引き上げを見送っており、今回も市場では据え置きが予想されていた。市場では「利上げを再開しないといけないほど景気が良いという認識が広がり」、資本財や金融といった景気動向に連動しやすい銘柄が買われた。

一方、カナダ中銀の決定の影響で、米連邦準備制度理事会(FRB)も追加利上げを行う可能性に注目が集まった。
これを受け、米長期金利が上昇。金利が上がる場面で売られやすいハイテク株が値下がりし、ナスダックを押し下げた。

主力ハイテク株が相場全体を押し上げる流れに出遅れてきた景気敏感株への買いが目立った。米原油先物相場が上昇したことも追い風となり、建機のキャタピラーは4%、石油のシェブロンは3%上げた。工業製品・事務用品のスリーエム(3M)や金融のゴールドマン・サックスも高い。市場では「割高感が出てきたハイテク株から値ごろ感のある銘柄へ資金がシフトしている」との声が聞かれた。

半面、ハイテク株は売りが優勢だった。米長期金利が一時前日比0.14%高い3.80%を付けたことも、高PER(株価収益率)のハイテク株の相対的な割高感が増すとみた売りにつながった。ソフトウエアのマイクロソフトと顧客情報管理のセールスフォースが3%下げた。スマートフォンのアップルも安い。

ナスダック総合株価指数は反落し、前日比171.523ポイント(1.3%)安の1万3104.895で終えた。前日に昨年4月以来の高値を更新した後とあって、主力銘柄には目先の利益を確定する売りが出やすかった。ネット通販のアマゾン・ドット・コムやネット検索のアルファベットが4%下げた。半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)は5%安となった。

 


【シカゴ日本株先物概況】

7日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前日比760円安の3万1885円で終えた。これまで上昇の勢いを強めていたため高値警戒感から利益確定の売りに押された。
NYダウは、景気の底堅さが意識される中を続伸した。ただ、米ハイテク株の下げが目立ったのも先物相場の重荷となった。

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7624.34(-3.76)

7日のFTSE100種総合株価指数は小幅に反落した。前日に比べ3.76ポイント(0.05%)安の7624.34で取引を終えた。新規の材料に乏しく、前日終値を挟んで一進一退の展開が続いた。外国為替市場で英ポンドが対ドルで上昇し、医薬品や日用品など売上高の海外比率が高い輸出企業セクターが下落したのが重荷だった。半面、商品相場の上昇でエネルギーや資源が買われ、下値は堅かった。

個別では、自動車保険のアドミラル・グループが2.97%安と下落。物流施設大手セグロは2.29%安、賭け屋大手エンテインは1.99%安だった。
反面、通信大手BTは3.75%高と上昇率トップ。オンライン食品販売大手オカドは3.60%高、投資会社メルローズ・インダストリーズは3.30%高と続いた。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15960.56(-31.88)

7日のドイツ株価指数(DAX)は反落した。前日に比べ31.88ポイント(0.20%)安の1万5960.56で取引を終えた。7日発表の4月のドイツ鉱工業生産が前月比0.3%増と、市場予想を下回った。同国の経済指標が市場予想に届かない傾向が続く中、金融引き締め継続による景気懸念が重荷だった。化学やヘルスケア、小売りが下落した。

個別では、ハノーバー再保険が3.52%安と下落。香料大手シムライズは3.05%安、通販大手ザランドは2.67%安と売られた。一方、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズは3.04%高、コメルツ銀行は2.16%高とそれぞれ買われた。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7202.79(-6.21)

フランスCAC40種指数は0.09%安だった。
中国の軟調な貿易統計も関連企業の株価を押し下げた。

 

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