ダウ続伸65ドル高、9月の米利下げ観測で

26日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前週末比65ドル44セント(0.15%)高の4万1240ドル52セントで終えた。
7月17日以来となる最高値を更新した。
 
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は23日に行った講演で、金融政策を転換する「時が来た」と述べ、9月の利下げ開始を明示。これを受けて米景気の先行き不安が和らぎ、買い安心感が広がった。

ただ、前週末に上伸した反動から利益確定の売りが出て、ダウは一時マイナス圏で推移した。市場関係者は28日発表されるエヌビディアの決算や、30日公表の7月の米個人消費支出(PCE)物価指数を待っている。

また、米商務省が26日発表した7月の耐久財受注額は前月比で9.9%増となり、市場予想(ロイター通信調べ)の5.0%増を大幅に上回ったが、影響は限定的だった。
 
市場は9月に利下げに転じるとの見方を強め、景気敏感株や消費関連株の一角に買いが入った。スリーエム(3M)やダウ、ウォルト・ディズニー、アメリカン・エキスプレスなどが上昇した。ダウ平均の上げ幅は一時240ドルあまりに広げた。
 
買い一巡後は伸び悩み、小幅な下げに転じる場面もあった。米株式相場は8月上旬に売りが広がった後は、急速に回復してきた。ほかの株価指数も最高値の更新が視野に入る中、26日は利益確定や持ち高調整の売りも出やすかった。
 
ダウ平均の構成銘柄ではないが、エヌビディアが2%下げた。28日に2024年5〜7月期決算を発表する前に持ち高調整の売りが優勢になった。足元は大手ハイテクによる人工知能(AI)関連投資が業績を押し上げるとみられているものの「見通しが市場の期待に届かなければ売られやすい」とのリスクも意識されている。内容次第で相場全体に影響が及びやすいだけに、積極的な買いを見送る動きにもつながった。
 
ダウ平均の構成銘柄では、インテルやアマゾン・ドット・コム、マイクロソフトといった半導体やハイテク株が売られた。前週末に宇宙船の有人帰還を断念したと発表したボーイングも下落した。
 
ナスダック総合株価指数は反落した。前週末比152.029ポイント(0.85%)安の1万7725.765で終えた。エヌビディアのほか、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やブロードコムなど半導体株の下げが目立った。テスラは3%安で終えた。カナダ政府が26日に中国製の電気自動車に100%の関税を課すと発表し、売り材料となった。
 
 
 

 


【シカゴ日本株先物概況】
 

26日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前週末比295円安の3万8035円で終えた。
ニューヨーク株式相場は、9月の米利下げ観測が引き続き好感され、続伸した。
この日は米ナスダック総合株価指数が下落。外国為替市場での円高・ドル安進行が重荷となって日経平均株価も下げており、シカゴ市場の日経平均先物には売りが優勢だった。
 

シカゴ日経225先物 (円建て)

38035 ( -5 )

シカゴ日経225先物 (ドル建て)

38065 ( +25 )

 

( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

英国市場休場

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18617.02(-16.08)

26日のドイツ株価指数(DAX)は4営業日ぶりに小幅反落し、前週末比16.08ポイント(0.08%)安の1万8617.02で終えた。前週末に7月中旬以来の高値を付けた後で、主力株の一部に持ち高調整の売りが出た。ただ、米国の早期利下げ観測が投資家心理を支え、DAXの下げ幅は限られた。

独Ifo経済研究所が26日発表した8月の企業景況感指数は86.6だった。7月(87.0)から悪化した。

DAXの構成銘柄では、分子診断大手キアゲンが2.38%安と最も大きく売られ、製薬大手バイエルが1.11%安、航空機エンジン大手MTUエアロ・エンジンズが0.79%安で続いた。一方、不動産大手ボノビアは3.70%高と急伸。通販大手ザランドと総合電機大手シーメンスも、それぞれ0.48%高、0.42%高と買われた。

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7590.37(+13.33)

フランスの主要な株価指数であるCAC40は続伸した。前週末比0.17%高の7590.37と、7月下旬以来の高値で終えた。

個別では、不動産投資信託のウニベイル・ロダムコ・ウエストフィールドが1.25%高、エネルギー大手トタルエナジーズが1.13%高、鉄鋼大手アルセロール・ミタルが0.77%高だった。

半面、半導体大手STマイクロエレクトロニクスは0.73%安、福利厚生サービス大手エデンレッドは0.55%安、金融大手ソシエテ・ジェネラルは0.54%安で取引を終えた。

 

 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次