26日のNYダウ工業株30種平均は小幅に続伸した。前日比60ドル30セント(0.15%)高の3万8109ドル43セントと連日で過去最高値を更新した。
前日発表の23年10〜12月期の米国内総生産(GDP)速報値が市場予想を上回る伸びとなり、米経済の軟着陸(ソフトランディング)期待が高まっているのも買いにつながった。
ダウ平均の上げ幅は一時160㌦を超えた。
ただ、ダウ平均の上値は重かった。最高値圏にあり、主力株の一部に利益確定売りや週末を控えた持ち高調整の売りが出た。米債券市場では長期金利が前日終値(4.12%)より高い4.1%台半ばで推移し、株式の相対的な割高感も意識されやすかった。
市場では「来週に米連邦公開市場委員会(FOMC)や大型ハイテク企業の決算発表を控え、一部の投資家は慎重になっている」との見方があった。
前日に2023年10〜12月期決算を発表した半導体のインテルが大幅安となった。ハイテク株の売りを誘い、相場の重荷となった。インテルは11.9%安で終えた。他の半導体株にも売りが波及した。
個別では、航空機のボーイングやホームセンターのホーム・デポ、製薬のメルクなどが買われた。クレジットカードのアメリカン・エキスプレスも高かった。朝発表の四半期決算と併せて示した1株利益見通しが市場予想以上だった。半面、スマートフォンのアップルやソフトウエアのマイクロソフトといったハイテク株の一角が下げた。建機のキャタピラーや金融のゴールドマン・サックスも売られた。
ナスダック総合株価指数は7営業日ぶりに反落し、前日比55.132ポイント(0.35%)安の1万5455.364で終えた。画像処理半導体(GPU)のエヌビディアの下げが目立った。
S&P500種株価指数は7営業日ぶりに反落し、前日比3.19ポイント(0.06%)安の4890.97で終えた。
【シカゴ日本株先物概況】
26日のシカゴ日経平均先物は下落した。3月物は前日比125円安の3万5915円で終えた。同日の東京株式市場で日経平均株価が下落した。米株式市場ではナスダック総合株価指数とS&P500種株価指数が7営業日ぶりに反落し、日経平均先物も売られやすかった。
NYダウ平均は、インフレ鈍化を示す米経済指標が好感されて続伸した。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
35915 ( +235 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
35945 ( +265 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
26日のFTSE100種総合株価指数は3日続伸し、前日比105.36ポイント（1.39%）高の7635.09で終えた。終値として約2週間ぶりの高水準となる。26日のパリ株式市場で、2023年10〜12月期決算を公表した酒類大手の仏レミー・コアントローの株価が大幅高となった。ロンドン株式市場で取引される同業の英ディアジオに買いが集まり、FTSE100種指数の支えとなった。
26日に調査会社GfKが公表した1月の英消費者信頼感指数が前月から一段と改善したことや、26日の米株式市場でダウ工業株30種平均が上昇したことも投資家心理を支えた。飲食料品・たばこ株が買われたほか、銀行や日用品株など幅広い業種に買いが広がった。
FTSEの構成銘柄では、特殊化学品大手クローダ・インターナショナルが5.29%高、酒造大手ディアジオが5.13%高、高級衣料のバーバリーが4.93%高とけん引した。一方、エネルギー小売り大手セントリカは4.58%安、同業SSEは2.36%安、流通大手セインズベリーは1.92%安となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
26日のドイツ株価指数（DAX）は3日続伸した。終値は前日比54.47ポイント（0.32%）高の1万6961.39と、連日で最高値を更新した。欧州中央銀行（ECB）の利下げ観測が投資家心理を支えた。
個別では、2023年12月期通期の決算速報とあわせて28年にかけての中期目標を公表した医療機器のザルトリウスが9.90%高と急騰したほか、医薬大手メルクが5.98%高、高級車メーカーのポルシェが3.38%高だった。
半面、電力大手RWEは6.03%安、防衛大手ラインメタルは3.29%安と大きく売られた。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40も3日続伸し2023年12月中旬以来、約1カ月ぶりに最高値を更新した。終値は前日比169.94ポイント（2.27%）高の7634.14だった。25日に2023年12月期通期の売上高が過去最高水準になったと公表し、増配案も示した仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン株がけん引する形で高級ブランド株が上昇した。蒸留酒ペルノ・リカールも大幅高となった。
