18日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比56ドル76セント(0.14%)高の3万8834ドル86セントで終えた。18日発表の米小売指標が消費の減速を示唆し、米連邦準備理事会(FRB)が利下げに転じやすくなるとの見方が広がった。もっとも、景気が市場の想定以上に悪化するとの懸念もあり、米株相場の上値は重かった。
朝方発表された5月の米小売売上高は前月比0.1%増と、市場予想を下回ったほか、4月分も下方修正された。低調な内容を受けて米利下げ期待が強まり、取引序盤のダウは買いが先行した。
ただ、買い一巡後はマイナス圏に沈むなど、前日終値を挟んで一進一退の展開。市場予想を上回る鉱工業生産統計、ニューヨーク連邦準備銀行のウィリアムズ総裁の発言も伝わったが、ほとんど響かず、ダウは大半の取引時間で方向感に乏しい値動きが続いた。翌日19日はジューンティーンスデー(奴隷解放記念日)の米祝日で休場となる。
市場では、FRBが9月に利下げに動くとの見方が増えている。18日の米債券市場では長期金利が4.2%台前半に低下(前日終値は4.28%)した。金利と比べた株式の相対的な割高感が薄れたのも米株相場を下支えした。
ただ、ダウ平均の上値は重かった。個人消費は米経済の大半を占めるため、弱い小売売上高が「景気の冷え込みを示し、買いの勢いをそいだ」面がある。
ゴールドマン・サックスやキャタピラー、ホーム・デポが上昇した。ベライゾン・コミュニケーションズとアムジェンも高かった。半面、ボーイングやユナイテッドヘルス・グループ、インテルは下落した。アップルとアマゾン・ドット・コムも売られた。
ナスダック総合株価指数は7日続伸した。前日比5.212ポイント(0.02%)高の1万7862.232と最高値で終えた。7連騰は半年ぶりの長さ。エヌビディアが大幅高で終えた。時価総額は3兆3000億ドルを上回り、マイクロソフトを抜いて世界一となった。同業のクアルコムやマイクロン・テクノロジーも上昇した。
S&P500種株価指数は前日比13.80ポイント(0.25%)高の5487.03と連日で最高値を更新した。
【シカゴ日本株先物概況】
18日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前日比200円高の3万8610円で終えた。 さえない米経済統計発表を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ期待が強まる中、続伸した。
この日は日米で株式相場がともに上げ、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て) 38610 ( +210 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て) 38660 ( +260 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 8191.29(+49.14)
18日のFTSE100種総合株価指数は4営業日ぶりに反発し、前日比49.14ポイント(0.60%)高の8191.29で終えた。欧州の政治情勢に対する過度な不安が和らいでフランスやイタリアなど欧州の主要株式相場が上昇するなか、英国株にも買いが優勢となった。
電力・ガス供給のナショナル・グリッドなど公益株が買われた。エネルギー株やスイスのグレンコアといった資源株、英HSBCホールディングスなどの銀行株にも買いが広がった。他方、住宅建設株や、スポーツ関連小売りのJDスポーツ・ファッション株が下げた。18日に2024年4月通期決算と25年4月期のレンタル売上高見通しを公表した建機・産業機器レンタルのアシュテッドグループ株も下落した。
FTSEの構成銘柄では、投資ファンドなどによる買収提案に合意した投資会社ハーグリーブス・ランズダウンは5.26%高と上昇率トップ。工業・電子製品大手RSグループが3.69%高、エネルギー大手SSEが3.51%高と続いた。一方、小売り大手JDスポーツ・ファッションは2.20%安、建機レンタルのアシュテッド・グループは2.00%安だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18131.97(+63.76)
18日のドイツ株価指数(DAX)は続伸し、前日比63.76ポイント(0.35%)高の1万8131.97で終えた。フランスの政治情勢や財政の悪化に対する過度な警戒感が、足元で和らいでいる。欧州の他の主要株式相場とともに前週に水準を切り下げていた反動もあり、買いが優勢だった。
個別では、ドイツ取引所(1.88%高)や分子診断大手キアゲン(1.73%高)、エネルギー大手シーメンス・エナジー(1.72%高)が買われた半面、化粧品大手バイヤスドルフ(2.81%安)やヘルスケア大手フレゼニウス(2.62%安)などが売られた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7628.80(+57.23)
フランスの代表的な株価指数であるCAC40は続伸し、前日比0.75%高で終えた。イタリアのFTSE・MIBは同1.23%高となった。イタリアではウニクレディトやインテーザ・サンパオロなど銀行株が上昇した。
