ダウ続伸554ドル高、消費懸念の後退で 

15日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸した。前日比554ドル67セント(1.38%)高の4万0563ドル06セントと7月31日以来の高値で終えた。
 
この日発表された7月の米小売売上高は市場予想を大幅に上回った。米小売り大手ウォルマートは5~7月期決算が好調で、通期の業績見通しを上方修正。いずれも景気減速に対する懸念を和らげる内容で、ダウ、ナスダックともに幅広い銘柄が買われた。

この日発表の失業保険申請件数が前週より減少し、雇用情勢悪化の不安も後退した。市場では「小売売上高は強く、失業保険申請は少なく、ウォルマートは好決算と、望ましい材料が三つそろう『ハットトリック』だ」との声が聞かれた。
 
同日発表の7月の米小売売上高が市場予想(0.3%増)を上回った。自動車・同部品を除くと0.4%増となり、これも市場予想(0.1%増)以上だった。小売り大手の決算発表をきっかけに大幅高となった。米経済の大半を占める個人消費が減速するとの懸念が後退し、景気敏感株を中心に買いが入った。
市場では「米経済がソフトランディング(軟着陸)するとの予想に沿った内容だった」との指摘があった。

小売り大手のウォルマートが大幅高となったのもダウ平均を押し上げた。15日発表の2024年5〜7月期決算は売上高が市場予想を上回った。非必需品の売れ行きが上向きつつあるといい、小売売上高とあわせて個人消費が底堅いとの見方につながった。アマゾン・ドット・コムにも買いが入った。

米株相場は景気の悪化懸念で売りが膨らんだ8月上旬の急落局面から回復しつつある。S&P500種株価指数は前日比88.01ポイント(1.61%)高の5543.22で終え、急落前にあたる7月末の水準を上回った。

そのほかの個別では、シスコシステムズが急伸。四半期決算が好感された。著名投資家ビル・アックマン氏が率いるファンドによる新規取得が判明したナイキも上昇した。ボーイングやキャタピラーなど景気敏感株も買われた。半面、ベライゾン・コミュニケーションズやプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が下げた。

ナスダック総合株価指数は6日続伸した。前日比401.895ポイント(2.33%)高の1万7594.496と7月31日以来の高値で終えた。エヌビディアやテスラが上昇した。

 
NYダウ    40563.06 ( +554.67 )
S&P500    5543.22 ( +88.01 )
NASDAQ  17594.49 ( +401.89 )
米10年債利回り  3.914 ( +0.075 )

NY(WTI)原油   78.16 ( +1.18 )
NY金      2492.4 ( +12.7 )
VIX指数    15.23 ( -0.96 )

 


【シカゴ日本株先物概況】
 

15日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前日比1350円高の3万7625円で終えた。NYダウ平均は、米国内の消費の強さを示す経済指標や企業決算が好感され、3日続伸した。同日は日米株式相場がともに上昇した。投資家心理が強気に傾き、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが活発となった。
 
 
シカゴ日経225先物 (円建て) 
37625 ( +975 )
 
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
37660 ( +1010 )
 
( )は大阪取引所終値比
 
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 

15日のFTSE100種総合株価指数は5日続伸し、前日比66.30ポイント(0.80%)高の8347.35で終えた。15日発表の米経済指標をきっかけに、米経済が悪化するとの懸念が後退した。同日の米株式市場で主要な株価指数が上昇して始まり、運用リスクをとりやすくなるとの見方が広がると、FTSE100種指数は上げ幅を広げた。

外国為替市場でポンド安・ドル高が進んだのも、蒸留酒大手ディアジオなど売上高に占める海外比率が高い銘柄の買いを誘った。

FTSEの構成銘柄では、自動車保険のアドミラル・グループは上半期の業績上振れを受け、6.51%高と上昇率トップ。米長期金利上昇の影響で英金利が上昇幅を広げると、金融大手スタンダード・チャータードが3.71%高と銀行株に買いが増えた。小売り大手JDスポーツ・ファッションが2.89%高と続いた。

■ドイツ・フランクフルト株価指数

 
15日のドイツ株価指数(DAX)は8日続伸し、前日比297.64ポイント(1.66%)高の1万8183.24で終えた。米経済の悪化懸念後退とともに米欧の長期金利が上昇し、ドイツ銀行など銀行株への買いを誘った。

15日発表の米経済指標の一部が市場予想を上回ったのをきっかけに、米株式市場で主要指数が堅調に推移しているのも投資家心理を支えた。フランクフルト市場では幅広い業種・銘柄に買いが広がり、DAXは40の構成銘柄のうち37銘柄が上昇した。

個別では、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズが4.23%高、ドイツ銀行が3.29%高、コメルツ銀行が3.05%高と上げを主導。ヘンケルが0.64%安、エネルギー大手イーオンが0.29%安だった。

 

■フランス・パリ株価指数

フランスの株価指数CAC40は3日続伸し、前日比1.22%高で終えた。米指標の発表を受けて米国経済の減速懸念が後退し、市場参加者のリスクを取る動きが活発化した。

 

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