この日発表の失業保険申請件数が前週より減少し、雇用情勢悪化の不安も後退した。市場では「小売売上高は強く、失業保険申請は少なく、ウォルマートは好決算と、望ましい材料が三つそろう『ハットトリック』だ」との声が聞かれた。
小売り大手のウォルマートが大幅高となったのもダウ平均を押し上げた。15日発表の2024年5〜7月期決算は売上高が市場予想を上回った。非必需品の売れ行きが上向きつつあるといい、小売売上高とあわせて個人消費が底堅いとの見方につながった。アマゾン・ドット・コムにも買いが入った。
米株相場は景気の悪化懸念で売りが膨らんだ8月上旬の急落局面から回復しつつある。S&P500種株価指数は前日比88.01ポイント(1.61%)高の5543.22で終え、急落前にあたる7月末の水準を上回った。
そのほかの個別では、シスコシステムズが急伸。四半期決算が好感された。著名投資家ビル・アックマン氏が率いるファンドによる新規取得が判明したナイキも上昇した。ボーイングやキャタピラーなど景気敏感株も買われた。半面、ベライゾン・コミュニケーションズやプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が下げた。
ナスダック総合株価指数は6日続伸した。前日比401.895ポイント(2.33%)高の1万7594.496と7月31日以来の高値で終えた。エヌビディアやテスラが上昇した。
S&P500 5543.22 ( +88.01 )
NASDAQ 17594.49 ( +401.89 )
米10年債利回り 3.914 ( +0.075 )
NY(WTI)原油 78.16 ( +1.18 )
NY金 2492.4 ( +12.7 )
VIX指数 15.23 ( -0.96 )
【シカゴ日本株先物概況】
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
外国為替市場でポンド安・ドル高が進んだのも、蒸留酒大手ディアジオなど売上高に占める海外比率が高い銘柄の買いを誘った。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
15日発表の米経済指標の一部が市場予想を上回ったのをきっかけに、米株式市場で主要指数が堅調に推移しているのも投資家心理を支えた。フランクフルト市場では幅広い業種・銘柄に買いが広がり、DAXは40の構成銘柄のうち37銘柄が上昇した。
個別では、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズが4.23%高、ドイツ銀行が3.29%高、コメルツ銀行が3.05%高と上げを主導。ヘンケルが0.64%安、エネルギー大手イーオンが0.29%安だった。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は3日続伸し、前日比1.22%高で終えた。米指標の発表を受けて米国経済の減速懸念が後退し、市場参加者のリスクを取る動きが活発化した。
