3日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比387ドル40セント(1.2%)高の3万3390ドル97セントで終えた。
市場では、米労働市場の逼迫(ひっぱく)やインフレ率の高止まりを受け、FRBの利上げが長期化するとの観測が台頭。3月の次回米連邦公開市場委員会(FOMC)では、利上げ幅が再び0.5%に拡大するとの見方も出ている。
ただ、アトランタ連邦準備銀行のボスティック総裁は前日、「現時点では、0.25%を非常に固く支持している」と発言した。3日の債券市場では、過度な利上げへの懸念が後退し、長期金利が小幅低下し、4%を下回った。株式市場では、金利低下を好感し、ハイテク株を中心に買いが優勢な展開。景気敏感株にも波及し、相場を押し上げた。
3日発表の2月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数が55.1と市場予想(54.3)を上回った。米景気堅調が確認された一方で「米連邦準備理事会(FRB)の利上げ長期化観測を強めるほどの内容ではなく、株式投資家にとって良いあんばいだった」との声が聞かれた。
スマートフォンのアップルが4%高となり相場上昇をけん引した。映画・娯楽のウォルト・ディズニーやクレジットカードのアメリカン・エキスプレスなど消費関連株も高い。半面、飲料のコカ・コーラなどディフェンシブ株の一角は売られた。
ナスダック総合株価指数は続伸した。前日比226.024ポイント(2.0%)高の1万1689.006で終えた。検索サイトのアルファベットや半導体のエヌビディアが上昇した。仮想現実(VR)ゴーグルの値下げを発表した交流サイトのメタプラットフォームズは6%高で終えた。
【シカゴ日本株先物概況】
3日のシカゴ日経平均先物は上昇した。3月物は前日比500円高の2万8205円で引けた。3日の米株式相場は、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げによる景気後退懸念が和らぎ、続伸した。
日経平均先物にも買いが波及した。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
28205 ( +305 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
28205 ( +305 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
3日のFTSE100種総合株価指数は小幅ながら3日続伸した。前日に比べ3.07ポイント(0.04%)高の7947.11で取引を終えた。中国で、国会に相当する全国人民代表大会(全人代)が週末から始まるのを前に、当局による景気刺激策への期待が強い。中国経済の回復による需要拡大の観測から、資源株が上昇した。
個別では、オンライン食品販売オカド・グループが4.5%高と上昇率トップ。アントファガスタ(2.7%高)やグレンコア(2.4%高)など資源関連株も買われた。石油大手のBP(1.1%安)やシェル(0.9%安)はそろって売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
3日のドイツ株価指数(DAX)は大幅に続伸した。前日に比べ250.75ポイント(1.64%)高の1万5578.39で終えた。自動車大手フォルクスワーゲンが11%近く上昇し、自動車株全般に買いが波及した。3日発表した2023年12月期通期の売上高見通しが市場予想を上回ったのが好感された。
3日発表の1月のドイツ貿易統計で、輸出が前月比で市場予想以上に増加したのも投資家心理を明るくした。
個別では、フォルクスワーゲンが10.6%高と急伸。自動車関連株のほか、通販大手ザランド(5.1%高)など小売関連株も堅調だった。
■フランス・パリ株価指数
フランスCAC40種指数は0.88%高だった。各国で良好な経済指標が相次いだことを受け、景気後退への懸念が和らぎ、買われた。
