13日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前週末比376ドル66セント(1.1%)高の3万4245ドル93セントと1カ月ぶりの高値で終えた。
市場の関心は14日に発表される1月の米消費者物価指数(CPI)に集まっている。午前の取引では様子見ムードが強まり上値が重くなる場面もあったが、インフレ鈍化が示されるとの期待がじわりと高まり、ハイテク株を中心に買われた。
1月のCPIは前月比では0.4%上昇が市場で見込まれている。前年同月比では6.2%上昇と、伸び率は昨年12月(6.5%)から縮小するとみられている。インフレが沈静化に向かっていることが示されれば、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ停止が近いとの見方が強まるだろう。
13日午前にニューヨーク連銀が発表した1月の消費者調査でインフレ鈍化傾向が示されたことも、投資家心理改善につながった。調査では、1年先の期待インフレ率が3カ月連続で前月を下回った。家計収入見通しも前月から下落し、下落率は調査開始以来の大きさとなった。
前週に売りにさらされたハイテク株に買い戻しが入り、相場全体の上げを主導。米長期金利の低下もハイテク株の追い風となった。
米長期金利の上昇一服も、相対的な割高感が薄れた高PER(株価収益率)のハイテク株の買いを誘った。ソフトウエアのマイクロソフトは3%高となり、顧客情報管理のセールスフォースやスマートフォンのアップルも高い。スポーツ用品のナイキやホームセンターのホーム・デポなど消費関連株も買われた。
ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反発し、前週末比173.669ポイント(1.5%)高の1万1891.789で終えた。交流サイトのメタプラットフォームズや動画配信のネットフリックスの上げが目立った。半導体株も高い。
【シカゴ日本株先物概況】
13日のシカゴ日経平均先物は上昇した。3月物は前週末比115円高の2万7700円で引けた。14日に発表される米1月消費者物価指数(CPI)に対する注目度が高まるなか、インフレ鈍化への期待が強まり、13日のNYダウ、ナスダック指数ともに上昇したこと受け、日経平均先物にも買いが優勢となった。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
27700 ( +260 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
27715 ( +275 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7947.60(+65.15)
13日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前週末に比べ65.15ポイント(0.82%)高い7947.60と過去最高値で取引を終えた。英航空・防衛大手のBAEシステムズや英航空機エンジン大手ロールス・ロイス・ホールディングスなど防衛関連銘柄の上昇が目立った。ロイター通信は13日、インドのモディ首相が同日、年15億ドル規模の防衛装備品輸出額を、2025年度までに50億ドル規模に拡大する意向を表明したと報じた。インド拠点の売り上げ増加を期待した買いが入った。
個別銘柄では、蒸気システム大手スパイラックス・サーコが3.2%高と上昇率トップ。日用品・食品大手ユニリーバ(3.1%高)や産銅大手アントファガスタ(2.2%高)も買われた。ロイズ・バンキング・グループ(0.4%安)など金融関連株は軟調だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15397.34(+89.36)
13日のドイツ株価指数(DAX)は反発した。前週末比89.36ポイント(0.58%)高い1万5397.34で終えた。欧州連合(EU)の欧州委員会が13日発表した経済見通しでユーロ圏の2023年の実質成長率を前回22年11月から上方修正し、国別でドイツの成長率を従来のマイナス0.6%からプラス0.2%に引き上げた。景気懸念がやや後退し、買いが優勢だった。
個別では、医療機器のザルトリウス(1.9%高)や航空機大手エアバス(1.7%高)が買われた。他では、重電のシーメンスや医薬・農薬のバイエルなどが上昇した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7208.59(+78.86)
フランスCAC40種指数は1.12%高だった。市場では14日の米消費者物価指数が注目されており、様子見ムードも強まった。
