27日のNYダウ工業株30種平均は続伸した。
前日比33ドル33セント高の2万3434ドル19セントで終えた。
複数の主要ハイテク決算が予想を上振れたことが好感され、買いが先行した。高値警戒感から上値は限られたものの、米実質国内総生産(GDP)速報値が予想を上振れたほか、原油相場の上昇が好感され、堅調推移となった。
7~9月期の米実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年率で3.0%増と市場予想を上回った。ハリケーンの襲来にも関わらず景気の回復基調が続いていると受け止められ、相場の支援材料になった。
26日の通常取引終了後にグーグルの持ち株会社アルファベットとアマゾン・ドット・コムなどが発表した四半期決算は市場予想を上回る増収増益で、株価が大幅に上昇した。マイクロソフトが6%高、インテルが7%高となり、2銘柄でダウ平均を約55ドル押し上げた。
ただ、ダウ平均の上値は重かった。27日朝に発表した7~9月期決算で売上高が予想を下回った製薬のメルクが売られ、石油のシェブロンは大幅増益となったが生産縮小が売り材料視された。両銘柄に売りが膨らみ、ダウ平均は下落する場面があった。
ナスダック総合株価指数は3日ぶりに大幅に反発した。前日比144.489ポイント高の6701.263と20日以来1週間ぶりに過去最高値を更新した。上げ幅は2015年8月26日以来の大きさだった。アルファベットやアマゾンなどが上場来高値を更新したほか、フェイスブックや動画配信のネットフリックスなど主力株に買いが膨らんだ。
セクター別では、小売や半導体・半導体製造装置が上昇する一方で食品・生活必需品小売や自動車・自動車部品が下落した。
個別では、アップルが上昇。スマートフォンの新機種「iPhoneX(テン)」の先行予約が始まり、米国内の引き渡しは5~6週間後になった。販売が好調との見方が買いを誘った。医療保険のユナイテッドヘルス・グループや外食のマクドナルド、工業製品・事務用品のスリーエムなども上げた。
一方、百貨店のJCペニー(JCP)は9、10月の減益を示唆し、大幅下落。メーシーズ(M)やコールズ(KSS)も連れ安となった。玩具メーカーのマテル(MAT)は決算内容が嫌気され下落した。
ドラッグストアチェーンのCVSヘルスは医療保険のエトナの買収交渉を進めていると伝わり、費用負担を嫌気した売りが出た。エトナも大幅に下落。前日夕に発表した決算で1株利益が市場予想を下回った旅行サイトのエクスペディア、玩具のマテルも売られた。
NYダウ工業株30種(ドル)
23434.19 ( +33.33 )
S&P500
2581.07 ( +20.67 )
NASDAQ
6701.26 ( +144.49 )
米10年債利回り(%)
2.4083 -0.046
米2年債利回り(%)
1.5915 -0.028
NY金(ドル/トロイオンス)
1,271.80+2.20
NY原油(ドル/バレル) 54.08 +0.18
円・ドル113.73 – 113.74 -0.37
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は続伸した。12月物は前日比195円高の2万2050円で終え、大阪取引所の終値と並んだ。7~9月期の米実質国内総生産(GDP)の伸びや日米企業で予想を上回る決算が相次いでいるのが好感され、米株とともに買われた。
イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の後任人事を巡り、トランプ米大統領が穏健派とされるパウエルFRB理事の指名に傾いていると市場に伝わったのも買いを支えた。12月物の高値は2万2125円、安値は2万1820円。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
22050 ( 0 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
22075 ( +25 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7505.03(+18.53)
FTSE100種総合株価指数は続伸した。前日26日の終値に比べ18.53ポイント高の7505.03で引けた。石油株の上げが指数を押し上げた。ただ、構成銘柄の半数以上は下落した。
石油のBPとロイヤル・ダッチ・シェルが買われた。26日に引き続きたばこ株も上がった。
銀行株も上昇し、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)は、四半期の営業利益が市場予想を上回ったことが好感され上げ幅が大きくなった。
日用品のレキットベンキーザーと信用調査のエクスペリアンも上昇した。
半面、銅価格の下落を背景に、鉱業関連株は売られた。アントファガスタと資源商社のグレンコアはそれぞれ約3%下がった。
四半期決算を発表した航空のインターナショナル・エアラインズ・グループは7%近く下落した。同業のイージージェットも大幅安となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13217.54(+84.26)
ドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前日比84.26ポイント高の13217.54と、26日に引き続き最高値を更新した。欧州中央銀行(ECB)による量的金融緩和の縮小は緩やかとの見方から買いが広がった。
2017年の利益目標を引き上げた自動車のフォルクスワーゲンは4%超上昇した。工業用ガスのリンデは、四半期利益が市場予想を上回ったことが好感され上がった。重電のシーメンスも高くなった。
一方で、複数のアナリストが株価目標を引き下げたドイツ銀行は売られた。同業のコメルツ銀行も安くなった。ドイツ取引所も下落した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5494.13(+38.73)
フランスの株価指数CAC40の終値が前日26日に比べて0.71%上昇し5494.13と、終値ベースで2008年1月以来の高値で引けた。
