9日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比305ドル28セント(0.9%)高の3万5768ドル06セントで終えた。
米長期金利の上昇が一服していることを好感し、ハイテク株や成長株が買われた。ハイテク株は1月に急落したため、値頃感から買いが入りやすい状態。中でも、先週の決算発表後に急落したメタ(旧フェイスブック)に買い戻しが入り、大幅高となった。この日の取引終了後に決算発表を控えたウォルト・ディズニーやウーバー・テクノロジーズも、好業績への期待で上昇した。
米長期金利は9日に一時1.9%台前半と前日に付けた2019年1月以来の高水準(1.97%)から低下した。米金融引き締めへの警戒感は根強いが、金利上昇を相場はある程度織り込んだとの見方も増えている。金利上昇が売り要因になっていた高PER(株価収益率)のハイテク株が買い直された。ソフトウエアのマイクロソフトと顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムはともに2%上昇した。
米ジョンズ・ホプキンス大の集計によると、9日時点での米国での新型コロナの新規感染者数は7日移動平均で約23万人と1月中旬のピークの3分の1以下に減った。ニューヨーク州など屋内のマスク着用義務を撤廃する動きも広がり、消費活発化への期待が強まっている。消費関連株が買われ、映画・娯楽のウォルト・ディズニーは3%上昇し、スポーツ用品のナイキも上げた。ダウ平均の構成銘柄以外では空運やクルーズ船など旅行・レジャー株の上げも目立った。
ダウ平均は昼前に一時361ドル高まで上げた後はやや伸び悩んだ。物価や金融政策を占ううえで、10日発表の1月の米消費者物価指数(CPI)を見極めたい投資家が多く、買いの手がやや弱まる場面があった。
ナスダック総合株価指数は続伸し、前日比295.918ポイント(2.1%)高の1万4490.373で終えた。交流サイトのメタプラットフォームズ(旧フェイスブック)が5営業日ぶりに反発し、5%高で終えた。アナリストが決算期待から「買い」の投資判断を維持した画像処理半導体のエヌビディアは6%上げた。
NYダウ工業株30種(ドル)
35,768.06+305.28
S&P500種
4,587.18+65.64
ナスダック
14,490.373+295.918
FTウィルシャー5000
46,864.49+708.46
NY金(ドル/トロイオンス)
1,836.60+8.70
NY原油(ドル/バレル)
90.03+0.67
円・ドル
115.51 – 115.53+0.11
【シカゴ日本株先物概況】
9日のシカゴ日経平均先物は続伸した。3月物は前日比430円高の2万7825円で引け、9日の大取終値を275円上回った。
9日の米株式市場で米長期金利の低下を受けてハイテク株を中心に買われ、日経平均先物に買いが波及した。また、アトランタ連銀のボスティック総裁がインフレは今後鈍化する見通しを示すなど、インフレを巡る楽観的な見方も支援し、NYダウは終日堅調に推移した。注目材料である10日発表の1月の米消費者物価指数(CPI)を控え、持ち高調整の動きもみられた。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
27825 ( +275 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
27840 ( +290 )
※( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7643.42(+76.35)
9日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前日に比べ76.35ポイント(1.01%)高の7643.42で引けた。8日の米株高や9日のアジア株高で運用リスクを取りやすい雰囲気が広がった。資源や資本財、消費者サービスなど幅広い業種に買いが入った。
FTSE100は指数構成銘柄の約9割が上昇。さえない決算で前日急落したオンライン食品販売オカド・グループが6.1%高と急反発したほか、原油が上昇に転じたことで石油大手同BP(2.8%高)や同シェル(1.6%高)も買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15482.01(+239.63)
9日のドイツ株価指数(DAX)は3日続伸し、前日比239.63ポイント(1.57%)高の1万5482.01で終えた。9日の欧州債券市場で欧州債利回りが低下し、金利上昇への過度な警戒感が和らいだ。自動車や工業、ハイテク株など幅広い銘柄が買われた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7130.88(+102.47)
フランスCAC40種指数は1.46%高の7130.88だった。
