ダウ続伸299ドル高、米利下げ観測が支え

 
20日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸し、前営業日の18日に比べ299ドル90セント(0.77%)高の3万9134ドル76セントと約1カ月ぶりの高値で終えた。相場上昇に出遅れ感のあった銘柄を中心に買いが入り、ダウ平均を押し上げた。米連邦準備理事会(FRB)が年内に利下げに転じるとの観測も株式相場を支えた。ダウ平均は400ドル近く上昇する場面があった。
 
18日に時価総額で初めて世界首位に立ったエヌビディアや、アップル、マイクロソフトなどが利益確定の売りに押され、ナスダックはマイナス圏に沈んだ。一方、ITコンサルティング企業アクセンチュアの好決算を背景に、ITサービスを手掛けるセールスフォースやIBMが積極的に買われ、ダウ平均の上昇をけん引した。

FRBは先週示した政策金利見通しで、年内の利下げ想定回数を1回としたが、市場では引き続き2回行われる可能性が約65%織り込まれている。米長期金利は3カ月弱ぶりの低水準圏で推移し、株買いを支えている。
 
朝発表の週間の新規失業保険申請件数は市場予想を上回った。フィラデルフィア連銀が発表した6月の製造業景況指数はプラス1.3と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(プラス5.0)に反し、前月(プラス4.5)から悪化。5月の米住宅着工件数も市場予想を下回り、景気の減速感が意識された。インフレの鈍化につながり、FRBが利下げをしやすくなるとの観測を誘った面があった。
 
ダウ平均は朝方は小幅安となる場面もあった。米債券市場で長期金利は一時4.29%と前営業日終値(4.22%)から上昇した。このところ買われていた高PER(株価収益率)のハイテク株を中心に相対的な割高感が意識されやすく、持ち高調整や利益確定の売りが出た。ダウ平均の構成銘柄ではないが、18日に初めて時価総額が世界1位となったエヌビディアが朝高後に下落に転じたことも、相場の重荷となった。
 
その他のダウ平均の構成銘柄ではIBMやアマゾン・ドット・コムが買われた。半面、アップルは2%安となった。マイクロソフトは小幅安。ダウとコカ・コーラも売られた。
 
ナスダック総合株価指数は8営業日ぶりに反落し、前営業日比140.645ポイント(0.78%)安の1万7721.587で終えた。足元で買いが目立っていた半導体株の一角が下げた。アナリストが目標株価を引き下げたテスラも安い。
 
S&P500種株価指数は前営業日比13.86ポイント(0.25%)安の5473.17で終えた。一時は初めて節目の5500を上回る場面があったが、主力株の一角が利益確定売りに押され、下げに転じた。
 
 
 
 

【シカゴ日本株先物概況】

20日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前営業日比65円安の3万8545円で終えた。この日は米国市場でNYダウ平均は、米連邦準備制度理事会(FRB)による年内利下げへの期待が続く中、3営業日続伸した。
ナスダック総合株価指数が8営業日ぶりに反落した。投資家心理がやや弱気に傾き、日経平均先物にも売りが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
38545 ( -65 )


シカゴ日経225先物 (ドル建て)
38590 ( -20 )

 
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】
 

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 8272.46(+67.35)
 
20日の英株価指数のFTSE100種総合株価指数は3日続伸し、前日比67.35ポイント(0.82%)高の8272.46で終えた。終値として6日以来、2週間ぶりの高水準となる。20日に英イングランド銀行(中央銀行)が公表した金融政策委員会の結果や議事要旨の内容を踏まえ、英国の金融政策が利下げに近づいているとの見方が広がり、株式の買いを誘った。

FTSEの構成銘柄では、小売り大手JDスポーツ・ファッションが5.09%高と上昇率トップ。産金大手フレスニロが4.44%高、商業用不動産のランド・セキュリティーズは4.43%高と続いた。

一方、オンライン食品販売大手オカド・グループはカナダの提携先と進めていた物流施設の計画中止などを公表したことが嫌気され12.06%安と急落。投資会社ハーグリーブス・ランズダウンは1.65%安だった。
 
 
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18254.18(+186.27)

20日のドイツ株価指数(DAX)は反発し、前日比186.27ポイント(1.03%)高の1万8254.18で終えた。欧州の政治情勢や財政を巡る不安はひとまず落ち着いている。英国での利下げ期待なども支えに、投資家心理が改善した。

前日に大幅安となっていた医療機器のザルトリウスや、前日まで5日続落していたスポーツ用品大手アディダスが買われた。航空・防衛株やテクノロジー関連など幅広い業種・銘柄に買いが広がった。DAXを構成する40銘柄のうち35銘柄が前日比で上昇して終えた。

 個別では、9割以上の銘柄が上昇。医療機器のザルトリウスが4.58%高、エネルギー大手シーメンス・エナジーが3.45%高、スポーツ用品大手アディダスが2.88%高と買われた半面、日用品大手ヘンケルが1.13%安やヘルスケア大手フレゼニウスが0.56%安が売られた。

 

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7671.34(+101.14)

欧州株式市場でフランスの代表的な株価指数であるCAC40も反発し、前日比1.33%高で終えた。銀行や公益株を中心に買われ、CAC40を構成する40銘柄のうち38銘柄が上昇した。

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