1日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比273ドル38セント(0.8%)高の3万5405ドル24セントで終えた。先週来、戻りが急ピッチだったハイテク株に利益確定売りが出た一方、相対的に上昇が鈍かった景気敏感株が買われた。
ダウ平均など主要株価指数は1月28日以降、3営業日連続で取引終了にかけ上げ幅を広げた。今年に入ってからの株安を受けた年金基金の資産配分見直しに伴う株買いとの観測が出ている。
朝方発表されたエネルギー大手エクソンモービルの昨年10~12月期決算は、エネルギー需要回復を受けて原油、天然ガス価格が上昇する中、1株当たり利益が市場予想を上回る内容。ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)も好決算を公表し、地合いを強める要因となった。
だが、米金融引き締めをめぐる不透明感やウクライナ情勢に対する懸念に加え、週末の米雇用統計発表を控えた警戒感も広がり、取引時間の大半で方向感が乏しく、前日終値を挟んでもみ合う展開が続いた。
景気敏感株が買われ、航空機のボーイングが4%高、建機のキャタピラーと化学のダウも上昇した。石油のシェブロンは3%高。同業のエクソンモービルが1日発表した決算が市場予想を上回り、石油株全体が連れ高した。
半面、ハイテク株は利益確定売りに押された。スマートフォンのアップルと顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムが安い。1月に発表した米ゲームソフト大手の買収計画に関し、米連邦取引委員会(FTC)が反トラスト法(独占禁止法)の審査をすると伝わったソフトウエアのマイクロソフトも下げた。
投資家心理を測る指標となる米株の変動性指数(VIX)は1割強低い21.9で終えた。24日に40近くまで上昇した後はじりじりと低下しており、投資家の先安懸念は薄れつつあるようだ。
ナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比106.120ポイント(0.7%)高の1万4346.003で終えた。ネット検索のアルファベットと交流サイトのメタプラットフォームズが上昇した。動画配信のネットフリックスも大幅高。
NYダウ工業株30種(ドル)
35,405.24+273.38
S&P500種
4,546.54+30.99
ナスダック
14,346.003+106.120
FTウィルシャー5000
46,354.28+352.55
NY金(ドル/トロイオンス)
1,796.40+9.80
NY原油(ドル/バレル)
88.36+0.21
円・ドル
114.63 – 114.73-0.30
【シカゴ日本株先物概況】
1日のシカゴ日経平均先物は反落した。3月物は前日比145円安の2万7165円で引け、1日の大取終値を135円上回った。
NYダウは、良好な企業決算に加え、予想を上回った1月ISM製造業景況指数や12月JOLT求人件数を好感し、寄り付き後、上昇。その後ISM指数の支払価格の上昇を受け長期金利が上昇に転じると、売り圧力が強まり一時下落に転じる局面も見られた。しかし、全国34州でコロナ入院患者が減少したとの統計を受け、回復期待が強まり景気敏感株がけん引し再び上昇。引けにかけ、上げ幅を拡大した、
朝安で始まり、米株の動きをにらむ展開になった。引けにかけて米株が買い進まれるにつれ、日経平均先物も下げ幅を縮めた。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
27165 ( +135 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
27180 ( +150 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7535.78(+71.41)
1日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反発した。前日に比べ71.41ポイント(0.96%)高の7535.78で引けた。前日の米株高で運用リスクを取りやすい雰囲気が広がった。銅やアルミニウムなど商品相場の上昇で資源株が買われた。英金利の上昇で銀行株にも買いが入った。
個別では、スイス資源大手グレンコア(3.4%高)、英・オランダ系資源大手リオ・ティント(3.2%高)などの資源株の上昇が目立った。また、英金融大手HSBCホールディングスが3.0%高と締まった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15619.39(+148.19)
1日のドイツ株価指数(DAX)は続伸し、前日比148.19ポイント(0.96%)高の1万5619.39で終えた。前日の米株式相場の上昇で運用リスクを取りやすくなった。工業株やテクノロジー株、ヘルスケア株など幅広い銘柄に買いが入った。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7099.49(+100.29)
フランスの株価指数CAC40は1.43%高だった。
