11日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比268ドル91セント(0.8%)高の3万3973ドル01セントで終えた。
市場は翌朝発表される昨年12月の米消費者物価指数(CPI)を注視。市場予想(ロイター通信調べ)は、変動の激しい食品とエネルギーを除いたCPIのコア指数が前年同月比5.7%上昇となっている。FRBが目指す2%のインフレ目標に比べ依然高い伸びが続いたもようだが、前月(6.0%上昇)からは減速したと見込まれている。一段のインフレ減速が示されると期待した買いが入った。大型ハイテク株が総じて上げたのも市場心理の改善につながった。
米債券市場では長期金利が低下し、相対的な割高感が薄れた高PER(株価収益率)のハイテク株の追い風となった。ソフトウエアのマイクロソフトやスマートフォンのアップルなど主力株が買われた。ダウ平均の構成銘柄以外ではネット通販のアマゾン・ドット・コムが6%高で終えた。
ホームセンターのホーム・デポや化学のダウ、スポーツ用品のナイキといった景気敏感株や消費関連株の一部も上昇。一方、通信のベライゾン・コミュニケーションズや日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)など、ディフェンシブ株には下げ銘柄が目立った。
長期金利低下を好感し、不動産投資信託(REIT)も軒並み買われた。大手のプロロジスは4%高で終えた。
ナスダック総合株価指数は4日続伸した。前日比189.041ポイント(1.8%)高の1万0931.671で終えた。4日続伸は22年9月以来。ネット検索のアルファベットと電気自動車のテスラが上昇した。
【シカゴ日本株先物概況】
11日のシカゴ日経平均先物は上昇した。3月物は前日比270円高の2万6525円で引けた。11日の米株式市場で主要株価指数が上昇し、日経平均先物にも買いが優勢となった。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
26525 ( +115 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
26550 ( +140 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7724.98(+30.49)
11日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前日に比べ30.49ポイント(0.40%)高の7724.98と、2018年8月以来4年5カ月ぶりの高値で引けた。中国経済の活動が正常化し、需要が回復するとの期待が根強い。原油や非鉄金属相場の上昇を受けて、エネルギー株や資源株に買いが入った。
個別では、構成銘柄の7割強が上昇。クリスマス商戦が好調だった小売り大手JDスポーツファッションが7.0%高と上昇率トップとなり、同業フレイザーズ・グループと保険会社セント・ジェームズ・プレイスが4.0%高、不動産大手セグロが3.4%高で続いた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14947.91(+173.31)
11日のドイツ株価指数(DAX)は反発した。前日に比べ173.31ポイント(1.17%)高の1万4947.91と、2022年2月中旬以来約11カ月ぶりの高値で終えた。ユーロ圏のインフレ圧力が緩和するとの期待から、ドイツの景気が大きく落ち込むとの過度な懸念が和らいでいる。自動車株や小売株などの消費財銘柄やハイテク株などが買われた。
個別では、不動産大手ボノビアが6.6%高と急伸。このほか、エネルギー大手シーメンス・エナジーが5.4%高、医薬大手メルクが4.5%高、製薬会社サルトリアスが4.2%高と買われた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6924.19(+55.05)
フランスCAC40種指数は0.80%高だった。各国中央銀行の利上げペースが和らぐとの期待が相場を押し上げた。
