22日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比261ドル19セント(0.7%)高の3万5753ドル89セントで終えた。消費マインドの強さを示す米経済指標や、新型コロナウイルスの飲み薬の緊急使用が承認されたことで投資家心理が改善。消費関連株を中心に買いが入った。
米食品医薬品局(FDA)はこの日、米製薬大手ファイザーが開発した新型コロナの経口治療薬「パクスロビド」に緊急使用許可を出した。重症化リスクが高い人に限定したが、発症初期の患者に高い効果があるとされ、入院や死亡のリスクを大幅に下げると期待されている。
市場では、新型コロナ感染拡大による景気減速への過度な警戒感が緩和し、投資家心理が改善した。個人消費やレジャー関連など、幅広い業種が買われた。
消費関連株が買われ、クレジットカードのビザや同業のアメリカン・エキスプレスが高い。航空機のボーイングも上げた。アナリストが投資判断を引き上げた建機のキャタピラーも上昇した。ダウ平均の構成銘柄以外ではクルーズ船のカーニバルやホテルのマリオット・インターナショナルなど、旅行・レジャー関連への買いが目立った。
22日発表の12月の米消費者信頼感指数は115.8と前月(111.9)から改善し、市場予想(111.0)も上回った。インフレ加速や新型コロナの感染拡大で消費者心理が悪化するとの懸念が後退した。
消費の強さが意識される中でも、米長期金利は横ばい圏で推移した。長期金利が上昇すると売られやすいハイテク株への買いを誘い、ソフトウエアのマイクロソフトとスマートフォンのアップルがともに2%近く上昇した。
半面、21日に好決算を受けて大幅高となったスポーツ用品のナイキは売られた。
ナスダック総合株価指数は続伸し、前日比180.805ポイント(1.2%)高の1万5521.892で終えた。電気自動車のテスラが大幅高。ネット検索のアルファベットも上昇した。
NYダウ工業株30種(ドル)
35,753.89+261.19
S&P500種
4,696.56+47.33
ナスダック
15,521.892+180.805
NY金(ドル/トロイオンス)
1,802.20+13.50
NY原油(ドル/バレル)
73.03+1.91
円・ドル
114.11 – 114.13-0.03
【シカゴ日本株先物概況】
22日のシカゴ日経平均先物は小幅に続伸した。3月物は前日比35円高の2万8670円で引け、22日の大取終値を230円上回った。
食品医薬品局(FDA)が製薬会社ファイザー(PFE)の新型コロナ経口薬の緊急使用を承認したため、オミクロン変異株への脅威も後退し、引けにかけて一段高となった。
感染拡大による景気悪化への警戒感が薄れた。22日発表の12月の米消費者信頼感指数の改善も相場を支えた。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
28670 ( +230 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
28735 ( +295 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7341.66(+44.25)
22日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前日の終値に比べ44.25ポイント(0.61%)高の7341.66で引けた。構成銘柄の9割近くが上昇した。米国株の上昇に伴い、英国株も上げ幅を広げた。
新型コロナウイルスの感染が再拡大する中、英政府がクリスマス前のロックダウン(都市封鎖)を見送る見通しとなったことで、投資家の買い安心感につながった。英政府の企業支援策発表も下支え要因となった。
資源株や金融関連株の上昇が株価指数を押し上げた。
個別では、動物用医薬品のデクラ・ファーマシューティカルズが4%超の上昇と目立った。航空機エンジンのロールス・ロイスも買われた。航空・防衛大手BAEシステムズも0.9%高と堅調。住宅大手テイラー・ウィンペイ(2.6%高)、同パーシモン(2.3%高)など不動産株も締まった。
半面、資源大手リオ・ティント(1.0%安)、同BHPビリトン(0.5%安)が軟調だった。
害虫駆除のレントキル・イニシャルは下落した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15593.47(+146.03)
22日のドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前日と比べて146.03ポイント高の1万5593.47だった。午後に一時下げる場面もあったが、米国株高に伴いドイツ株は上昇に転じた。
個別では、国内の一部事業の縮小などを発表した料理宅配大手のデリバリーヒーローは、7%超上げた。航空機のエアバスも上昇した。下落したのは、電力のRWEを含む4銘柄だけだった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7051.67(+86.68)
