ダウ続伸251ドル高、早期利下げ期待

19日のNYダウ工業株30種平均は9日続伸。前日比251ドル90セント(0.67%)高の3万7557ドル92セントと、連日で過去最高値を更新した。米連邦準備理事会(FRB)が2024年の早期に利下げに転じ、景気に配慮しながら政策判断をするとの見方が引き続き相場の支えとなった。
 
先週の連邦公開市場委員会(FOMC)の結果やパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見を受け、利下げや米景気見通しを巡る楽観論が台頭。この日も強地合いを引き継ぎ、最高値圏で利益確定売りが出やすいものの、材料難の中をダウは終日堅調な値動きが続いた。

9営業日での上げ幅は1500ドルを超え、ナスダックも同じく9営業日続伸して取引を終了。終値で1万5000の大台を回復し、年初来高値を塗り替えた。
 
CMEグループのフェドウオッチによると、来年3月のFOMCにおける少なくとも0.25%の利下げ確率は約75%。今週末には個人消費支出(PCE)物価指数の発表を控えているものの、一時期に比べ物価統計への注目度は下がっており「買われやすい展開が持続しやすいのでは」との声も出ている。
 
個別では、ドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスや建機のキャタピラー、半導体のインテルが買われた。
 
 
 
【債券】
長期金利の指標である表面利率4.500%の10年物国債利回りは3.93%で終えた。FRB高官の発言で米利下げ観測が強まった。ただ、足元で利回りが急低下しており、相場の上値は重かった。
 
【為替】
ニューヨーク外国為替市場で円相場は1ドル=143円台後半で推移した。日銀が19日まで開いた金融政策決定会合で大規模な金融緩和策の維持を決めたことを受け、円売り・ドル買いの動きが優勢だった。
 

【シカゴ日本株先物概況】

19日のシカゴ日経平均先物は上昇した。2024年3月物は前日比610円高の3万3330円で終えた。
この日は日銀が大規模な金融緩和策を維持したことで日経平均株価が大きく上昇。
米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測で米株式相場も上げ、シカゴ市場の日経平均先物には買いが優勢だった。 

シカゴ日経225先物3月限 (円建て) 
33330 ( +200 ) 

シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
 33395 ( +265 )  

( )は大阪取引所終値比  

【欧州株式市場】
 

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7638.03(+23.55)
 
19日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前日に比べ23.55ポイント(0.30%)高の7638.03で終えた。金やプラチナといった貴金属や銅など商品先物相場の上昇を背景に、英アングロ・アメリカンなど資源株が買われた。ブックメーカー(賭け屋)のフラッター・エンターテインメントやスポーツ賭博サイトの運営などを手掛ける英エンテインといった消費者サービス関連の銘柄にも買いが入った。

約2カ月ぶりの高値圏ということもあって利益確定の売りも出やすく、指数の上値は重かった。

FTSEの構成銘柄では、オンライン食品販売大手オカド・グループが5.33%高と急伸したほか、産金大手フレスニロと鉱業大手アングロ・アメリカンもそれぞれ3.93%高、3.85%高となった。
一方、高級衣料のバーバリーは2.05%安、保険大手ビーズリーは1.31%安、同業セント・ジェームズ・プレイスは1.03%安だった。
 
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 16744.41(+93.86)
 
 
19日のドイツ株価指数(DAX)は6営業日ぶりに反発し、前日比93.86ポイント(0.56%)高の1万6744.41で終えた。インフレ鈍化などを背景に、欧州中央銀行(ECB)が来年に利下げ方針に転じるとの見方が投資家心理を支えた。医療機器のザルトリウスなどヘルスケア・医薬品関連の銘柄が買われた。不動産株が上げたほか、ドイツ銀行など金融株も上昇した。
個別では、医療機器のザルトリウスが3.99%高、通販大手ザランドが3.35%高、総合電機大手シーメンスが2.80%高と買われた半面、高級車メーカーのポルシェは1.29%安、自動車大手フォルクスワーゲンは0.56%安、商用車大手ダイムラー・トラックは0.53%安で取引を終えた。
 
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7574.67(+5.81)
 
フランスCAC40種指数は0.08%高だった。
欧州中央銀行(ECB)高官のハト派的な発言やユーロ圏のインフレ低下を示す経済指標などを好感した買いが入った。
 
 
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