12日のNYダウ工業株30種平均は4日続伸し、前週末比229ドル63セント(0.7%)高の3万2381ドル34セントで終えた。
米労働省は13日朝、8月の消費者物価指数(CPI)を発表する。市場予想(ロイター通信調べ)では、エネルギー価格の低下などにより、前年同月比8.1%上昇と前月から伸びが鈍化。前月比では、2年3カ月ぶりにマイナスに転じるとみられており、物価上昇がピークを越えたとの期待が広がっている。
ダウ平均は、「CPI発表を控えて様子見ムードが広がり、手掛かり材料が少ない」(日系金融機関)中、買いが先行して取引が始まり、一時350ドル超上昇した。アップルが大幅高となったのもダウ平均を押し上げた。
ダウ平均は直近4営業日で1236ドル上昇し、8月中旬の高値からの下落幅の4割強を取り戻した。
インフレ減速観測が強まるとの期待が株買いを後押しした。もっとも、エネルギーと食品を除くコア指数は高止まりを示す可能性がある。発表後の株式相場の反応が読みにくい面もあり、ダウ平均は伸び悩む場面もあった。
ドルの下落も株買いを誘った。ドルの総合的な強さを示すインターコンチネンタル取引所(ICE)算出のドル指数は前週7日に20年ぶりの高値を付けたが、その後は下落基調が続いている。市場では「(ハイテクなど)海外事業の比率が高い企業の収益圧迫の懸念が後退し、買い安心感が出た」との指摘があった。
今月発売する新型「iPhone14」の需要が強いと複数のアナリストが指摘したスマートフォンのアップルが4%高となり、相場上昇をけん引した。米原油先物相場の上昇で石油のシェブロンが買われ、原油高の局面で買われやすい建機のキャタピラーも高い。クレジットカードのアメリカン・エキスプレスなど消費関連株も買われた。
ナスダック総合株価指数は4日続伸し、前週末比154.104ポイント(1.3%)高の1万2266.411で終えた。アップルに加え、ネット通販のアマゾン・ドット・コムなど主力株が上げた。
【シカゴ日本株先物概況】
12日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前週末比135円高の2万8330円で引けた。
同日の米株式相場が上昇し、日経平均先物にも買いが波及した。
ドル安が続いたことや、インフレのピークアウト期待が高まったことで幅広い銘柄が上昇した。米欧の支援を受けたウクライナ軍の優勢が伝えられたことも投資家心理の改善につながったとの見方もあった。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
28330 ( +70 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
28375 ( +115 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7473.03(+121.96)
12日のFTSE100種総合株価指数は大幅に3日続伸した。前週末に比べ121.96ポイント(1.66%)高の7473.03で引けた。天然ガス価格の下落でインフレ観測が後退し、英景気悪化の懸念が和らいだ。
FTSEでは、ホームセンター大手キングフィッシャーが6.1%高と上昇率トップ。流通大手テスコ(5.5%高)や同セインズベリー(5.3%高)も買われた。バークレイズ(3.0%高)やロイズ・バンキング・グループ(2.1%高)など金融関連株も堅調だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13402.27(+314.06)
12日のドイツ株価指数(DAX)は大幅に続伸した。前週末に比べ314.06ポイント(2.40%)高の1万3402.27で終えた。欧州連合(EU)が検討しているエネルギー価格対策への期待が広がった。ウクライナ軍によるロシア軍への反転攻勢が伝わったことも投資家心理を改善させた。
DAXでは、ダイムラー・トラック(5.3%高)やメルセデス・ベンツ(5.2%高)など自動車関連株が買われた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6333.59(+121.26)
フランスCAC40種指数は1.95%高だった。
ウクライナ軍の攻勢が報じられたのを好感し、買いが先行した。
