27日のNYダウ工業株30種平均が続伸し、前週末比22ドル79セント高の2万3580ドル78セントで終えた。
感謝祭週末明けでオンライン購買が急増する「サイバーマンデー」となっており、引き続き年末商戦への期待が高まったものの、主要株式指数が過去最高値を更新しており、高値警戒感から上値も限られた。OPEC会合を控えて原油価格の下落も重しとなり、小幅な値動きに終始する展開となった。
24日の「ブラックフライデー」のネット販売は前年比で17%増の約50億ドルだった。例年ネット通販が盛り上がる27日の「サイバーマンデー」の売上高は前年を17%上回見通しという。
好調なネット通販の恩恵を受ける筆頭との見方からアマゾン・ドット・コムが買われ、一時1200ドル台に乗せるなど上場来高値を付けた。
米景気の底堅さを背景に小売店の販売も伸びるとの期待感からメーシーズやノードストロームなどの百貨店、衣料品のギャップなどにも買いが入った。
ただ、北朝鮮が弾道ミサイルの発射準備を進めているとして日本政府が警戒していると伝わった。地政学リスクへの警戒感が相場の重荷になった。原油先物相場の下落を受けて、素材株が売られたのも指数を押し下げた。
ナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反落し、同10.639ポイント安の6878.521で終えた。UBSのアナリストが2018年のスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の販売動向に慎重な見方を示したことなどを受け、アップルが下げた。半導体関連株が総じて下落したのも指数の重荷だった。
セクター別では、小売や公益事業が上昇する一方でエネルギーや半導体・半導体製造装置が下落した。
個別では、雑誌のタイム(TIME)は、コーク兄弟からの支援を受けたメディア企業のメレディス(MDP)による約28億ドルの買収に合意し、両社とも急騰した。ストリーミング端末のロク(ROKU)などが堅調推移となった。
一方で原油価格の下落を受け、石油のヘス(HES)やシェブロン(CVX)などが売られた。アナリストが投資判断を引き下げた決済サービスのスクエアやハードディスク駆動装置(HDD)のウエスタンデジタル(WD)が反落した。
NYダウ工業株30種(ドル)
23,580.78+22.79
S&P500種
2,601.42-1.00
ナスダック
6,878.521-10.639
NY金(ドル/トロイオンス)
1,294.40+7.10
NY原油(ドル/バレル)
57.85-1.10
円・ドル
111.07 – 111.08-0.29
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は反落した。12月物は前週末比180円安の2万2470円で取引を終え、大阪取引所の終値を30円下回った。北朝鮮が弾道ミサイルの発射準備を進めていると日本政府が警戒していると伝わり投資家心理が悪化し、売りが優勢になった。地政学リスクの高まりで円高が進んだのも嫌気された。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
22470 ( -30 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
22480 ( -20 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7383.90(-25.74)
FTSE100種総合株価指数は3日続落した。前週末24日の終値に比べ25.74ポイント安の7383.90で引けた。構成銘柄の半数以上が下落した。株価指数は午前に上昇に転じる場面もあったが、午後は原油相場の一段安を背景とした石油株の売りに押された。
石油のBPとロイヤル・ダッチ・シェルが下落した。銅価格の下落を受けて、鉱業株も売られた。アントファガスタとアングロ・アメリカンの下げが目立った。
アナリストが株価目標を引き下げたテーマパーク運営のマーリン・エンターテイメンツも下がった。
半面、オールド・ミューチュアルなど保険株は高くなった。医薬品のグラクソ・スミスクラインも買われた。
航空のイージージェットも上昇。アナリストが良好な2018年通期の収益見通しを示したことなどが好感された。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13000.20(-59.64)
ドイツ株式指数(DAX)は反落した。終値は前週末24日に比べて59.64ポイント(0.46%)安の13000.20だった。
半導体のインフィニオンテクノロジーズと化学のBASF、ドイツ銀行が売られた。一方で、航空のルフトハンザは上昇した。医療機器のフレゼニウスも高くなった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5360.09(-30.37)
