ダウ続伸197ドル高、エネルギー株に買い

9日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前週末比197ドル07セント(0.58%)高の3万3604ドル65セントで終えた。中東地域での戦闘が激化したのを受けて朝方は売りが先行したが、その後上昇に転じた。米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが長期化することへの過度な警戒感が後退し、投資家の買いを誘った。

パレスチナのイスラム組織ハマスとイスラエル軍との戦闘で中東情勢を巡る懸念が広がる中、ダウは取引序盤からリスク回避の売りが優勢な展開となり、一時150ドル余り下げた。
ただ、この日は祝日で債券市場などが休場。主要経済指標の発表もなく、地政学的リスク以外の注目要因に乏しかった。週内に米物価統計や連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨公表を控える中、地政学リスクがいったん消化され売りが一巡すると、ダウは中盤にはプラス圏に浮上。エネルギー株主導で終盤にかけて堅調な値動きが続いた。

FRBのジェファーソン副議長は9日に公開した講演の原稿で「債券利回りの上昇を通じた金融引き締めを今後も認識しつつ、将来の政策の方向性を評価することを心掛ける」と述べた。米長期金利は先週に2007年以来の高水準を付けていた。ジェファーソン氏の見解を受けて追加利上げへの警戒感が和らいだ。

原油高を受けて石油のシェブロンが上昇した。ドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスや通信のベライゾン・コミュニケーションズなどディフェンシブ株の一角も買われた。半面、日用品のプロクター・アンド・ギャンブルや半導体のインテルは下げた。

ナスダック総合株価指数は続伸した。前週末比52.898ポイント(0.39%)高の1万3484.239で終えた。アナリストの高評価が相次いだ英半導体設計のアーム・ホールディングスが上昇した。交流サイトのメタプラットフォームズも買われた。

 


【シカゴ日本株先物概況】

9日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前週末比75円安の3万1255円で終えた。
同日の米株式相場は上昇したが反応は限られた。中東情勢緊迫化を受けた原油価格上昇でエネルギー株に買いが入る中、続伸した。
前週末に東京株式市場で日経平均株価が下落した流れを引き継いだ。

シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
31255 ( +235 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
31285 ( +265 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7492.21(-2.37)

9日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに小幅に反落した。前週末に比べ2.37ポイント(0.03%)安の7492.21で引けた。原油先物相場の上昇を支えにエネルギー株などに買いが先行した。だが中東での戦闘激化やインフレ懸念は投資家心理の重荷となり、指数は徐々に上げ幅を縮小した。

金融や消費財などの関連銘柄に売りが出た。英ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)などを傘下に持つ航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループは6%安、特殊化学のクローダ・インターナショナルが7%安などとなった。半面、エネルギー大手のシェルとBP、航空・防衛大手BAEシステムズなどの上昇は指数を支えた。

FTSEの構成銘柄では、特殊化学品大手クローダ・インターナショナルが7.32%安と下落幅トップ。航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が6.14%安、衣料小売り大手ネクストが4.35%安と続いた。一方、航空・防衛大手BAEシステムズは4.53%高、石油大手BPは2.91%高となった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15128.11(-101.66)

9日のドイツ株価指数(DAX)は反落し、前週末比101.66ポイント(0.66%)安の1万5128.11で終えた。中東情勢への懸念から投資家が運用リスクを回避する姿勢に傾き、売りが優勢となった。素材や産業、ヘルスケアなどの関連株が売られた。個別ではダイムラートラックや、自動車部品大手コンチネンタルなどの下げが目立った。

個別では、商用車大手ダイムラー・トラックが3.43%安。半導体大手インフィニオン・テクノロジーズが2.28%安、自動車部品大手コンチネンタルが2.23%安と売られた。防衛大手ラインメタルが7.14%高、スポーツ用品大手アディダスは4.31%高と買われた。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7021.40(-38.75)

フランスCAC40種指数は0.55%安だった。
イスラエルとイスラム組織ハマスの紛争拡大に対する懸念から、リスク回避の動きが出て欧州株は低迷した。

 

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