22日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比196ドル14セント高の２万1899ドル89セントで終えた。
上げ幅は４月25日以来ほぼ４カ月ぶりの大きさ。取引終盤にかけて上げ幅を広げ、一時は200ドル超上げた。
米政権に対する先行き不透明感や北朝鮮情勢の緊迫化による株価下落が一服し、値ごろ感から買いが広がった。税制改革に関する協議で大幅な進展が見られたとの報道が好感されたほか、ハイテク株が選好され、終日堅調推移となった。
アップルが高い。米長期金利の上昇を受けて利ざやが拡大するとの期待からゴールドマン・サックスなど金融株が買われたほか、防衛需要が意識されて航空機のボーイングも上昇しダウ平均の上昇をけん引した。
米政治専門サイトのポリティコが関係者の話として、トランプ米政権と米議会が、法人減税を含む税制改革のとりまとめで前進していると伝えた。政策期待がやや持ち直したことも投資家心理を強気に傾けた。
ダウ平均はトランプ米大統領の政権運営に対する不安から、前週後半に約350ドル下げていた。24～26日に米ワイオミング州ジャクソンホールで開かれる経済シンポジウムを前に、売りに傾いた持ち高を中立方向に戻す目的の買いが入りやすかった面もある。
ナスダック総合株価指数は４営業日ぶりに反発し、前日比84.351ポイント高い6297.478で終えた。グーグルの持ち株会社アルファベットやアマゾン・ドット・コムなど主力株や、半導体関連銘柄が軒並み上げた。
セクター別では、テクノロジー・ハード・機器やソフトウェア・サービスが上昇する一方で家庭用品・パーソナル用品や不動産が下落した。
百貨店のメーシーズが大幅高。前日夕に経営陣の刷新を含むリストラ策を発表し、好感された。写真・動画共有アプリのスナップが急伸した。調査会社が若年層のフェイスブックの利用が減り、スナップチャットの利用が増えるとの見通しを示し、買い材料視された。
一方で、住宅建設のトール・ブラザーズ(TOL)は決算で売上高が予想を下回り、下落した。
化粧品大手コティが急落した。朝方発表した2017年４～６月期決算で最終赤字が前年同期から拡大した。１株あたりの損益も市場予想に届かず、売りが出た。四半期決算で売上高がそれぞれ市場予想を下回った。
ＮＹダウ工業株30種（ドル）
21,899.89＋196.14
S&P500種
2,452.51＋24.14
ナスダック
6,297.478＋84.351
米10年債利回り2.216 ( +0.034 )
ＮＹ原油（ドル/バレル）
47.73－0.10
円・ドル
109.67 – 109.68＋0.32
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は５営業日ぶりに反発した。９月物は前日比160円高の１万9480円で引け、大阪取引所の終値を140円上回った。円相場の反落や米株高を好感した。
トランプ米政権の税制改革への期待が広がり、同政権の先行き警戒感が薄れ投資家心理が上向いた。この日の９月物高値は１万9480円、安値は１万9330円。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
19480 ( +140 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
19485 ( +145 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7381.74（＋62.86）
FTSE100種総合株価指数は４営業日ぶりに反発した。前日終値に比べ62.86ポイント高の7381.74で引けた。売り基調が続いたことから値ごろ感に着目した買いが入った。
ただ、夏季休暇に入っている市場参加者も多く取引は閑散だった。
銅価格の上昇を追い風に鉱業株が買われた。アントファガスタとBHPビリトンは好決算の発表も買い材料視された。アントファガスタは上期増益を発表し、BHPは2017年６月期通期の最終損益が２年ぶりに黒字に転じた。原油高を受けて石油株も上げた。
前日下落した医薬品株も値ごろ感から買い戻された。なかでもシャイアーが高かった。
半面、プロビデント・ファイナンシャルが６割安と急落した。一時は７割超下落した。２カ月間で２度の減益見通しを示したほか、中間配当を停止し、最高経営責任者（CEO）の辞任が伝わるなど悪材料が重なり、売りが加速した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12229.34（＋163.35）
ドイツ株式指数（DAX）は４営業日ぶりに大幅反発した。終値は前日比163.35ポイント高の12229.34だった。値ごろ感の出た銘柄を中心に買いが広がり、ほぼ全面高で引けた。
医療機器のフレゼニウスと工業用ガスのリンデ、化学のバイエルが指数の上げを主導した。一方で、小幅ながら下落したのはコメルツ銀行とドイツ銀行だけだった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5131.86（＋44.27）
