21日のNYダウ工業株30種平均は続伸した。前日比160ドル50セント高の2万3590ドル83セントで取引を終え、約2週ぶりに過去最高値を更新した。
複数の主要企業決算が好感され、買いが先行した。アジア・欧州株が概ね全面高となったほか、10月のシカゴ連銀全米活動指数や中古住宅販売件数が予想を上振れ、終日堅調推移となった。
中でもハイテク株の上げが目立った。年末商戦で新型スマートフォン「iPhone X(テン)」の販売に期待が膨らんだアップルは、ダウ平均の構成銘柄で最大の上昇率となった。マイクロソフトがそれに続き、2銘柄でダウ平均を30ドルほど押し上げた。
今週は23日に感謝祭の祝日があり、市場参加者が少なくなっている。売買の厚みが小さく「値動きが大きくなりやすい」との指摘もあった。
良好な米住宅指標も市場心理の改善につながった。21日朝に出た10月の中古住宅販売件数は前月比2%増と、市場予想(0.2%増程度)を大きく上回った。
ナスダック総合株価指数も続伸し、過去最高値を更新した。終値は前日比71.763ポイント高の6862.477。アップル、マイクロソフト、グーグルの持ち株会社アルファベットがといった主力ハイテク株に買いの勢いがあり、指数上昇をけん引した。
フェイスブックの時価総額は5280億ドルに達し、中国ネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)を抜き返した。
S&P500種株価指数も続伸し、米株市場の主要3指数はそろって過去最高値を上回った。
セクター別では電気通信サービスを除いて全面高となり、特にテクノロジー・ハード・機器やヘルスケア機器・サービスの上昇が目立った。
個別では、アパレル小売のアーバンアウトフィッターズ(URBN)や、ディスカウントストアのダラー・ツリー(DLTR)は決算内容が好感され、上昇。
売上高が市場予想ほど減らなかった食品のホーメル・フーズは買いが優勢だった。市場予想を上回る決算を発表したセキュリティー対策ソフト開発のパロアルトネットワークスも買いが集まった。
一方、決算が売り材料視された食品のキャンベル・スープや靴小売のDSW(DSW)が大幅安だった。
NYダウ工業株30種(ドル)
23,590.83+160.50
S&P500種
2,599.03+16.89
ナスダック
6,862.477+71.763
米10年債利回り(%)
2.3595 -0.011
米2年債利回り(%)
1.7715 +0.017
NY原油(ドル/バレル)
57.10+0.68
円・ドル
112.47 – 112.48 -0.09
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は続伸。12月物は前日比205円高の2万2665円で取引を終えた。21日の大阪取引所の終値を215円上回った。世界的な株高の流れを受けて米国株が上昇し、日経平均先物にも買いが及んだ。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
22665 ( +215 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
22670 ( +220 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7411.34(+21.88)
FTSE100種総合株価指数は続伸した。前日終値に比べ21.88ポイント高の7411.34で引けた。たばこ株の上げが指数を押し上げ、構成銘柄の半数以上は上昇した。
たばこ株が買われた。なかでもインペリアル・ブランズは3%超上昇した。日本たばこ産業(JT)の社長交代で、同社が海外でのM&Aに積極的になるとの見方から、インペリアルがその買収の標的になる可能性があると受け止められた。
銅と金の価格上昇を受けて、鉱業株も上がった。BHPビリトンとランドゴールド・リソーシズの上げが目立った。プルーデンシャルなど保険株も高くなった。
半面、最近下落が続いている医療のメディクリニック・インターナショナルは21日も5%超下落した。アナリストが投資判断を引き下げたことなどが売り材料となった。
上期決算を発表したエンジニアリング・防衛・鉄道などのバブコック・インターナショナル・グループも6%超下がった。1~10月の増収を発表した品質試験サービスのインターテック・グループも大幅安となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13167.54(+108.88)
ドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前日比108.88ポイント高の13167.54だった。
自動車のフォルクスワーゲン(VW)は、アナリストによる株価目標引き上げなどが好感され買われた。同業のBMWも高くなった。半導体のインフィニオンテクノロジーズも上昇した。
一方で、電力のRWEとハイデルベルクセメントは売られた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5366.15(+25.70)
フランスの株価指数CAC40は上昇する。
その他の欧州の主要株式相場はまちまちだった。イタリアのFTSE・MIBは上昇する一方で、スペインのIBEX35は下落した。
