ダウ続伸141ドル高、金融不安後退で

30日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比141ドル43セント(0.4%)高の3万2859ドル03セントで終えた。

今月の米中堅銀行シリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻を受けた金融不安深刻化が依然懸念されているものの、この日もリスク回避の動きを誘発する重大なニュースに乏しい状況。こうした中、ダウは朝方から買い優勢で推移した。
ただ、31日に米連邦準備理事会(FRB)が重視する物価指標の発表を控え、上値は重かった。
米金融当局は必要に応じて金融機関への支援を拡充する姿勢を示している。金融不安を背景に銀行が貸し出しを渋り、米景気の冷え込みにつながるとの過度な懸念は薄れている。金融市場は落ち着きを取り戻しつつあり、投資家は運用リスクを回避する姿勢を緩めている。

ダウ平均は買い一巡後に伸び悩み、下げに転じる場面もあった。31日にはFRBがインフレ指標として重視する米個人消費支出(PCE)物価指数の2月分が発表されるため、手じまい売りが出やすかった。30日発表の週間の米新規失業保険申請件数は19万8000件と市場予想(19万5000件)以上に増えたものの、「依然として低水準で労働市場の強さを示した」と受け止められた。インフレ圧力の根深さが意識されたことも重荷だった。

個別では、前日に新製品の発売計画を公表した半導体のインテルに買いが続いた。ハイテク株も高く、ソフトウエアのマイクロソフトとスマートフォンのアップルが上昇した。クレジットカードのアメリカン・エキスプレスと工業製品・事務用品のスリーエムは下落した。

ナスダック総合株価指数は続伸した。前日比87.235ポイント(0.7%)高の1万2013.471で終えた。交流サイトのメタプラットフォームズやネット通販のアマゾン・ドット・コムが上昇した。

 


【シカゴ日本株先物概況】

30日のシカゴ日経平均先物は上昇した。6月物は前日比135円高の2万7940円で引けた。
NYダウは、金融不安後退を背景にリスク選好の動きが強まり、2日続伸した。
米株式市場で主要株価指数が上昇し、日経平均先物にも買いが優勢となった。

シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
27940 ( +140 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
28000 ( +200 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7620.43(+56.16)

30日のFTSE100種総合株価指数は4日続伸した。前日に比べ56.16ポイント(0.74%)高の7620.43で取引を終えた。欧米の金融システム不安が後退し、実体経済に与える悪影響への過度な懸念が和らいでいる。資源株やエネルギー株などへの買いが続いた。

個別では、オンライン食品販売オカド・グループが10.3%高と急伸。商業用不動産大手ランド・セキュリティーズ(4.5%高)やエネルギー大手SSE(4.1%高)、産金大手エンデバー・マイニング(3.1%高)も買われた。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15522.40(+193.62)

30日のドイツ株価指数(DAX)は4日続伸した。前日に比べ193.62ポイント(1.26%)高の1万5522.40と、9日以来3週間ぶりの高値で終えた。欧米の金融システムに対する過度な不安感が和らいでいる。自動車や小売りといった消費財関連やハイテク株など幅広い銘柄に買いが入った。

個別では、スポーツ用品大手アディダス(5.9%高)やコメルツ銀行(3.2%高)などが買われた。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7263.37(+76.38)

フランスCAC40種指数は1.06%高だった。金融システムへの警戒感が後退し、小売りや資源エネルギーなど幅広い銘柄に買いが入った。

 

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