ダウ続伸123ドル高、景気敏感株などに買い

10月31日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比123ドル91セント(0.37%)高の3万3052ドル87セントで終えた。11月1日午後に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を控え、景気敏感株などに持ち高調整の買いが続いた。ダウ平均は前週末におよそ7カ月ぶりの安値を付けていたため、売り持ち高を減らすための買いが入りやすかった。
 
ダウ平均は10月月間では454ドル(1.35%)下落した。下落は3カ月連続で、2020年1~3月以来の連続月間下落記録となる。
 
米連邦準備理事会(FRB)は翌日の金融政策決定会合で政策金利を据え置くと広く予想されている。これが投資家に安心感を与えたほか、株価が前週の大幅下落により「底打ちしたと判断」され、幅広い銘柄が買い戻された。
ダウ平均は前週末までの2週間で、1200ドルあまり下落していた。
 
米原油先物相場が下落し、原油高による景気悪化懸念が和らいだことも投資家心理の改善につながった。航空機のボーイング、機械のハネウェル・インターナショナルなどの景気敏感株やクレジットカードのアメリカン・エキスプレスといった消費関連株が上昇し、ダウ平均を支えた。
 
ただ、FRBが12月以降に再利上げに動くとの観測は根強い。1日のパウエルFRB議長の会見内容を見極めたいとの雰囲気もあり、ダウ平均の上値は重かった。
 
ダウ平均は140ドルあまり下げる場面があった。建機のキャタピラーが7%安となり、指数を下押しした。朝発表の2023年7~9月期決算は市場予想を上回ったが、10~12月期見通しが物足りないとの受け止めが広がった。同様に朝に決算を発表したバイオ製薬のアムジェンは3%安だった。
 
7~9月期の雇用コスト指数は前の四半期に比べ1.1%上昇し、市場予想(1.0%上昇)を上回った。米国のインフレ懸念が意識されたのも相場の重荷だった。
 
通信のベライゾン・コミュニケーションズや工業製品・事務用品のスリーエム(3M)、半導体のインテルが上げた。一方、石油のシェブロンが売られた。
 
ナスダック総合株価指数は3日続伸した。前日比61.755ポイント(0.48%)高の1万2851.238で終えた。電気自動車のテスラ、ネット通販のアマゾン・ドット・コムなどが買われた。
 
ナスダック指数は月間では2.78%安となり、3カ月連続で下落した。
 
 
 

【シカゴ日本株先物概況】

 
10月31日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前日比755円高の3万1355円で終えた。この日は日銀の政策修正への過度な警戒感が後退したとの受け止めで日経平均株価が反発して終えたほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を前に米株式相場も上昇しており、シカゴ市場の日経平均先物には買いが優勢となった。
NYダウは、米連邦準備制度理事会(FRB)が翌日利上げ見送りを決めるとの観測や、先週の大幅な値下がりを受け積極的な買いが入り、続伸した。

 

シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
31355 ( +505 )


シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
31375 ( +525 )
 
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7321.72(-5.67)
 
31日のFTSE100種総合株価指数は小幅に反落した。前日に比べ5.67ポイント(0.07%)安の7321.72で引けた。市場予想を下回る四半期決算を発表した英石油大手BPなどエネルギー株の下落が重荷となった。資本財株や銀行株のほか飲食料品や日用品の関連銘柄が買われ、指数は前日終値を上回って推移する場面もあった。

英BPが31日発表した2023年7~9月期決算は、原油の在庫評価益を差し引いた実質的な利益(税引き後)が前年同期から大幅に減少し、市場予想も下回った。追加の自社株買い計画を示したものの、株価は前日比で4.6%安で終えた。半面、一部金融機関による投資判断と目標株価の引き上げが伝わった航空機エンジンの英ロールス・ロイス・ホールディングスは6.6%と大幅高となった。

FTSEの構成銘柄では、航空機エンジン大手ロールス・ロイスが6.63%高、不動産大手セグロが2.80%高、ホームセンター大手キングフィッシャーが2.69%高。一方、BPは4.58%安、資源大手グレンコアは3.51%安、インターコンチネンタル・ホテルズ・グループは3.04%安だった。

 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14810.34(+93.80)

31日のドイツ株価指数(DAX)は続伸し、前日比93.80ポイント(0.63%)高の1万4810.34で終えた。ボノビアなど不動産株が上昇したほか、医療機器のザルトリウスなどヘルスケア関連の銘柄にも買いが入った。欧州経済の悪化懸念から、指数上昇の勢いは限られた。

31日発表の7~9月期のユーロ圏域内総生産(GDP)は前期比0.1%減となった。同日発表の10月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)は前年同月比2.9%上昇と、伸び率が2021年7月以来の低水準にとどまった。

景気懸念が重荷となり、DAX指数は10月の月間でみると576ポイント(3.7%)安だった。月間の下落としては幅、率とも22年9月以来の大きさとなる。

個別では、医療機器のザルトリウスが8.45%高と急伸したほか、分子診断大手キアゲンは5.53%高、化学大手BASFも4.10%高だった。

半面、高級車メーカーのポルシェは0.86%安、エネルギー大手シーメンス・エナジーは0.78%安、ドイツ銀行は0.50%安で取引を終えた。

 

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 6885.65(+60.58)

フランスCAC40種指数は0.89%高だった。

この日発表された2023年7~9月期のユーロ圏実質GDP(域内総生産)速報値は前期比0.1%減と市場予想を下回ったが、あまり材料視されなかった。

 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次