ダウ続伸し64ドル高、景気回復期待

 
28日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比64ドル81セント(0.2%)高の3万4529ドル45セントで終えた。この日はメモリアルデー(戦没者追悼の日)の連休前で取引参加者が減り、やや動意に乏しい展開となった。ダウ平均は5月に月間で654ドル60セント(1.9%)高となり、4カ月連続で上昇した。
 
27日夕に市場予想を上回る四半期決算を発表した顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムが大幅高となり、ダウ平均をけん引した。もっとも、ダウ平均は過去最高値圏にあり、短期的な利益確定売りも出て上値は重かった。
 
この日発表されたインフレ関連指標が強い伸びを示したものの、市場では想定内と受け止められ、主要株価指数は終日プラス圏で推移した。日系証券関係者は「懸念していたほどの伸びではなく、インフレ率上昇が一時的とする米連邦準備制度理事会(FRB)の見方からも大きく外れていない」と指摘した。
4月の米個人消費支出(PCE)物価指数は、食料品とエネルギーを除くコア指数が前年同月比3.1%上昇と、約29年ぶりの大きな伸び。ミシガン大が発表した期待インフレ率も、1年先が4.6%上昇と、約10年ぶりの高水準だった。
 
セールスフォースの2021年2~4月期決算は市場予想を上回る増収増益となり、22年1月期通期の見通しも上方修正した。株価は5%上昇し、1銘柄でダウ平均を約80ドル押し上げた。
新型コロナウイルスのワクチン普及に伴う景気回復期待も相場を支えた。ワクチン普及で、夏場にかけて景気回復が勢いづくとの期待からクレジットカードのアメリカン・エキスプレスやスポーツ用品のナイキなど消費関連銘柄も高い。
 
ダウ平均の上げ幅は一時、150ドルを超えたが、その後は上値が重くなった。31日のメモリアルデーの祝日を含む3連休を前に「持ち高調整や利益確定の売りが出やすかった」との声が聞かれた。
 
ナスダック総合株価指数は反発し、前日比12.463ポイント(0.1%)高の1万3748.739で終えた。半導体のエヌビディアが1カ月半ぶりに上場来高値を更新した。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体関連株の上げが目立った。
 
ナスダック指数は5月に213.942ポイント安となり、月間では7カ月ぶりの下落となった。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
34,529.45+64.81
S&P500種
4,204.11+3.23
ナスダック
13,748.739+12.463
NY金(ドル/トロイオンス)
1,905.30+6.80
NY原油(ドル/バレル)
66.63-0.22
円・ドル
109.83 – 109.85+0.74
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

28日の日経平均先物は続伸した。6月物は前日比170円高の2万9020円で引け、28日の大取終値を100円下回った。
NYダウは、景気回復への期待で寄り付き後、上昇。ハイテク株にも買いが入った。引けにかけて上昇幅を縮小するも、ダウ・ナスダックともに上昇して取引を終えた。
米景気回復への期待や長期金利の低下を手掛かりに、日経平均先物は米株とともに買われた。28日発表の4月の米個人消費支出(PCE)物価指数はインフレ圧力の高まりを示したが、市場の反応は限られた。

シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
29020 ( -100 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
29020 ( -100 )
 ( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
28日のFTSE100種総合株価指数は小幅ながら4日ぶりに反発した。前日の終値に比べ2.94ポイント高の7022.61で引けた。
バイデン米大統領がインフラ投資などのため6兆ドル(約660兆円)規模の財政出動を議会に求めると報道され、米国の景気回復期待が追い風となった。ただ、株価指数は引けにかけて伸び悩み。今週は7000ポイントを上回る水準での小動きが続いた。
指数構成銘柄のうち、上昇は約半数。英政府による大規模な住宅建設計画が不動産株を後押しした。金融株の上昇が相場を下支えしたが、主力の資源株が売られ重荷になった。英国の3連休を控えて取引は薄かった。
銀行のHSBCホールディングスをはじめ銀行株や投資、資産運用関連株が堅調に推移した。前日に英イングランド銀行(中央銀行)の金融政策委員会メンバーの一人が、英国の利上げの可能性に触れたことが支援材料になった。
個別銘柄では、前日に下げたロンドン証券取引所(LSE)グループや住宅大手パーシモン(2.4%高)、同バラット・バラット・デベロップメンツ(2.3%高)、同テイラー・ウィンペイ(2.6%高)など不動産株が上昇率上位に名を連ねた。
 
半面、郵便大手ロイヤル・メールが2.8%安と軟調。産銅大手アントファガスタ、ロシア鉄鋼大手エブラズはいずれも2.2%安とさえなかった。時価総額の大きいたばこ株も売りに押された。
 

■ドイツ・フランクフルト株価指数
28日のドイツ株式指数(DAX)は3日ぶりに反発した。終値は前日と比べて113.25ポイント(0.7%)高の1万5519.98となり、終値で25日に付けた過去最高値を更新した。
米国の景気回復期待などが買いにつながり、午後に上げ幅を広げた。
 
個別では、前日に安く引けた産業機器のシーメンスが高くなった。半導体のインフィニオンテクノロジーズなどIT関連株も上げた。自動車のダイムラーとBMWは下げた。
 

■フランス・パリ株価指数
CAC40(仏)6,484.11 +48.40       

 

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