ダウ続伸し60ドル高 過去最高値を更新、ナスダックは3日続落

7月31日のNYダウ工業株30種平均は5日続伸した。終値は前週末比60ドル81セント高の2万1891ドル12セントと、4日続けて過去最高値を更新した。
大半の主要企業決算が好調であることから投資家心理が改善し、買いが先行。一方で、ハイテク株が売られたほか、原油相場の下落に伴い、上げ幅を縮小した。
 
米調査会社トムソン・ロイターによると、米主要500社の2017年4~6月期決算は31日時点で前年同期比10.8%の増益。発表が進むにつれて利益水準は切り上がっており、株価の割高感は薄らぐとの見方が株式の買いを誘った。
 
米シカゴ購買部協会が31日発表した7月の景気指数(PMI)は58.9と市場予想(59.5)を下回った。もっとも、6月の米仮契約住宅販売指数の伸び率は市場予想を超えるなど、31日発表の米経済指標は強弱入り交じった結果だったため、株式相場を方向付ける材料とはならなかった。
 
ナスダック総合株価指数は3日続落し、前週末比26.554ポイント安の6348.123で終えた。アマゾンが3%近く下げるなど主力株が軒並み売られて指数を下押しした。
 
セクター別では、食品・生活必需品小売やメディアが上昇する一方で素材や小売が下落した。
 
個別では、バイオ医薬品のダイナバックス(DVAX)は、米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会が、同社のB型肝炎ワクチンの安全性データの承認を支持したとの発表を受け、70%超に大幅上昇した。ケーブルテレビのチャーター・コミュニケーションズ(CHTR)はソフトバンクグループが買収提案を行い、堅調推移した。
 
一方で、フェイスブック(FB)は一部アナリストの売り推奨を受け下落。その他、ネットフリックス(NFLX)、アルファベット(GOOGL)、アマゾン(AMZN)などの主要ハイテク株が下落した。写真共有アプリを手掛けるスナップ(SNAP)は新規上場に伴う自社株の売却制限(ロックアップ)期間が終了し、売られた。
米食品医薬品局(FDA)が前週末にたばこ規制の強化を検討すると発表したのを受け、アルトリア・グループなど関連株に売りが続いた。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
21,891.12+60.81             
S&P500種
2,470.30-1.80
ナスダック
6,348.123-26.554


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は小幅に続落した。9月物は前週末比35円安の1万9925円で引け、28日の大取終値を15円下回った。円高・ドル安が嫌気されて日本株は売られた。
前週末発表された米国の弱い経済指標をうけ、利上げ観測が後退。日米金利差を意識したドル売り・円買いが進んだ。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
19925 ( -15 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
19940 ( 0 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7372.00(+3.63)
FTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに小反発した。前週末終値に比べ3.63ポイント高の7372.00で引けた。構成銘柄の6割近くが上昇した。鉱業株や公益事業株、医薬品株の上昇が指数を下支えした一方で、たばこ株への売りが膨らみ上げ幅は限られた。
銅価格の上昇を背景にアングロ・アメリカンなど鉱業株が全面高で引けた。石油株も上げた。
アナリストが投資判断を引き上げた医薬品のアストラゼネカを筆頭に医薬品株にも買われた。HSBCホールディングスは、上期の増益発表が好感され上昇。スタンダードチャータード銀行と保険株も上げた。
 
半面、たばこのインペリアル・ブランズが6%近く下落し、ブリティッシュ・アメリカン・タバコも約5%安となり、指数の重荷になった。前週末に米食品医薬品局(FDA)がたばこのニコチンレベルの引き下げを検討していると伝わったことが引き続き売り材料視された。
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12118.25(-44.45)
ドイツ株式指数(DAX)は3日続落した。終値は前週末比44.45ポイント安の12118.25だった。
ドイツ銀行と鉄鋼のティッセン・クルップが安かった。コメルツ銀行も小幅安。自動車株も売られた。一方、電力のRWEとエーオンが高かった。放送大手のプロジーベンザット1メディアも買われた。
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5093.77(-37.62)

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