11月30日のNYダウ工業株30種平均は5日続伸した。
終値は前日比331ドル67セント高の2万4272ドル35セントと、節目の2万4000ドルを初めて上回り過去最高値を3日続けて更新した。上げ幅は今年最大。
ダウ平均は11月に月間で895ドル上昇した。8カ月続伸となり、1994年12月~95年7月に並ぶ22年ぶりの連続上昇記録。S&P500種株価指数も過去最高値を更新した。
週間新規失業保険申請件数が予想より減少したほか、個人所得が堅調であることが好感され、小幅上昇して寄り付いたものの、米上院による税制改革案の本会議採決の結果を見極めたいとの思惑から上値は限られた。反対を表明していた一部共和党上院議員が税制改革案の支持を示唆したことが報じられると、減税実現の期待から投資家心理が改善し、上げ幅を拡大する展開となった。
米長期金利は一時2.43%とほぼ1カ月ぶりの水準に上昇。利ざや拡大への期待が強まったことも金融株買いを加速させた。スーパー大手のクローガーなど好決算を発表する小売企業が相次ぎ、年末商戦への期待も買い材料になった。
10月の米個人所得と個人消費支出(PCE)はともに前月比で市場予想以上に増えた。米連邦準備理事会(FRB)が重視する物価指標のPCEデフレーターは、コア指数の前年同月比の伸び率が持ち直した。米景気や物価低迷への懸念が薄れたことも株買いを促したとの指摘があった。
ナスダック総合株価指数は反発し、同49.584ポイント高の6873.973で終えた。前日に下げたアップルやフェイスブックなど主力株が買い直され、指数を押し上げた。アマゾン・ドット・コムには強気な株価見通しを示すアナリストが相次いだ。
セクター別ではメディアを除いて全面高となり、特に運輸や食品・生活必需品小売の上昇が目立った。
個別では、会員制卸売のコストコ・ホールセール(COST)は11月の既存店売上高が予想を上振れ、堅調推移した。年末商戦時の業績見通しが強気と受け止められた衣料のLブランズが買われた。
一方、書店のバーンズ・アンド・ノーブル(BKS)は予想より赤字幅が拡大し、大幅下落。
IT機器のジュニパーネットワークス(JNPR)は大きく下げた。前日夕に伝わったフィンランドの同業大手ノキアによる買収報道を否定したことが嫌気された。
NYダウ工業株30種(ドル)
24,272.35+331.67
S&P500種
2,647.58+21.51
ナスダック
6,873.973+49.584
米10年債利回り(%)
2.415 +0.039
米2年債利回り(%)
1.79 +0.028
NY金(ドル/トロイオンス)
1,276.70-9.50
NY原油(ドル/バレル)
57.42+0.12
円・ドル
112.53 – 112.54 +0.25
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は続伸。12月物は前日比220円高の2万2875円で取引を終え、大阪取引所の終値を115円上回った。米税制改革への実現期待が高まり、投資家心理が改善。米国株相場が上昇し、日経平均先物もつれ高した。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
22875 ( +115 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
22880 ( +120 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7326.67(-66.89)
FTSE100種総合株価指数は続落した。前日29日の終値に比べ66.89ポイント安の7326.67で引けた。医薬品株と銀行株の下げが指数を押し下げ、構成銘柄の約7割が下落した。午前に上昇に転じる場面もあった。
アストラゼネカやグラクソ・スミスクラインなど医薬品株が売られた。スタンダードチャータード銀行など銀行株も下落した。ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)は、アナリストが投資判断と株価目標を引き下げたことなどが売り材料となった。
半面、医療のメディクリニック・インターナショナルは、複数のアナリストが投資判断を引き上げたことが好感され4%超上昇した。航空・防衛のBAEシステムズと通信のBTグループ、医療機器メーカーのコンバテック・グループも買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13023.98(-37.89)
ドイツ株式指数(DAX)は3日ぶりに反落した。終値は前日29日に比べて37.89ポイント安の13023.98だった。午後遅くに下落に転じた。
ミュンヘン再保険が売られた。一連のハリケーンや地震の影響で、今年の利益は小幅にとどまるとの見通しを示したことが売り材料となった。
一方で、日用品のバイヤースドルフと、タイヤのコンチネンタルは上昇した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5372.79(-25.26)
