10日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸し、前営業日の6日に比べ101ドル23セント(0.3%)高の3万3586ドル52セントで終えた。
前週末7日はグッドフライデー(聖金曜日)で株式市場は休場だった。同日発表された3月の米雇用統計では、非農業部門就業者数や平均時給の伸び鈍化が示された半面、雇用そのものは底堅さを維持した。
7日に発表された米雇用統計では、非農業部門の雇用者数の増加幅が23万6000人と、市場予想(23万8000人)並みだった。労働参加率が上昇するなか、失業率は低下した。前週は米景況感や雇用関連などの経済指標が軒並み市場予想を下回り、米景気の先行き懸念が強まっていたため、雇用統計は投資家心理の改善につながった。
景気敏感株に買いが入り、ダウ平均を支えた。一方、ハイテク株は売りが優勢となり、相場の重荷となった。
一方、ダウ平均は売りが先行し、上昇に転じた後も上値が重い展開が続いた。12日に3月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控える。米連邦準備理事会(FRB)の金融政策を探るうえで、内容を見極めたい雰囲気が強かった。市場では3月に金融システム不安が広がった後で「今週末に相次ぐ米大手銀の決算発表を確かめたい投資家が多い」との声も聞かれた。
建機のキャタピラーは3%高、化学のダウは2%高となり、景気敏感株の上昇が目立った。消費関連株にも買いが入り、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスやスポーツ用品のナイキが高い。
半面、米長期金利が上昇した局面で、高PER(株価収益率)のハイテク株には相対的な割高感が強まるとみた売りが出やすかった。米IDCの調査で1~3月期のパソコンの出荷台数が前年同期比で大きく減ったスマートフォンのアップルが2%下げた。ソフトウエアのマイクロソフトも安い。
ナスダック総合株価指数は小幅に反落し、前営業日比3.602ポイント(0.02%)安の1万2084.355で終えた。ネット検索のアルファベットや交流サイトのメタプラットフォームズが売られた。一方、韓国サムスン電子の半導体減産の方針を受け、半導体のマイクロン・テクノロジーは8%高となった。
【シカゴ日本株先物概況】
10日のシカゴ日経平均先物は上昇した。6月物は前営業日比235円高の2万7865円で引けた。
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
