ダウ最高値522ドル高、米利下げを好感

19日のNYダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発した。前日比522ドル09セント(1.25%)高の4万2025ドル19セントで終え、最高値を更新した。米連邦準備理事会(FRB)が18日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で大幅な利下げを決めた。利下げが米景気を支えるとの見方が強まり、主力株に買いが広がった。ダウ平均の上げ幅は650ドルを超える場面があった。

FRBは前日、政策金利を通常の2倍の0.50%引き下げ、年4.75~5.00%にすることを決めた。利下げにより企業が資金を借入れ設備投資を行いやすくなるなど、経済活性化への期待から、この日はハイテクや金融を中心に幅広い銘柄が積極的に買われた。

ダウとナスダックは前日、FRBが今後の利下げ見通しについて市場の想定よりも遅いペースを示唆したことを嫌気し、値下がりしていた。ただ、この日は「一転してリスクオンムード」(日系証券)が広がり、小売りなどディフェンシブ銘柄は売られた。

市場では「FRBの利下げで投資家心理が改善し、ハイテク株に見直し買いが入った」との指摘があった。

ダウ平均の構成銘柄では、セールスフォースやアップルの上昇が目立った。ダウ平均の構成銘柄以外では、エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)といった半導体関連株も軒並み上昇。半導体株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は4.26%高で終えた。

19日朝発表の週間の米新規失業保険申請件数は21万9000件と前の週から減少し、5月以来の低水準となった。9月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数は1.7と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(マイナス1.1)を上回った。米経済の底堅さを示したとの受け止めにつながった。

そのほかの個別では、キャタピラーやゴールドマン・サックス、アメリカン・エキスプレスが上昇した。一方、コカ・コーラとプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が売られた。

ナスダック総合株価指数は反発した。前日比440.680ポイント(2.50%)高の1万8013.981で終えた。テスラやメタプラットフォームズが上昇した。

S&P500種株価指数も反発した。前日比95.38ポイント(1.69%)高の5713.64で終え、7月16日以来、2カ月ぶりに最高値を更新した。

 


【シカゴ日本株先物概況】

19日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前日比1160円高の3万7530円で終えた。
NYダウ平均は、米連邦準備制度理事会(FRB)が前日決定した大幅利下げを背景にリスクの高い株を買う動きが強まり、反発した。
この日は日米株式相場がともに上昇し、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが広がった。

シカゴ日経225先物 (円建て)
37530 ( +640 )
 
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
37695 ( +805 )
 
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】
 

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 8328.72(+75.04)
 
19日のFTSE100種総合株価指数は反発し、前日比75.04ポイント(0.90%)高の8328.72で終えた。終値として2日以来の高値となる。米連邦準備理事会(FRB)が18日に0.5%という大幅な利下げを決定したのを受け、運用リスクをとりやすくなるとの見方が広がった。

米国での利下げが米経済を下支えするとの見方から、原油先物や銅先物などの価格にも上昇圧力がかかった。

英イングランド銀行(中央銀行)は19日、政策金利を5.0%に据え置くと発表した。追加利下げの見送りは市場のおおかたの予想通りだった。ただ、米国で大幅な利下げが決まった一方で英中銀は利下げを慎重に進める可能性が改めて意識され、FTSE100種指数は上げ幅を縮小する場面があった。

外国為替市場ではドルなどに対して英ポンド買いが進み、ポンドの上昇が業績の逆風になる英ユニリーバなど多国籍企業の株価の重荷となった。日用品のほか公益株が下げた。

FTSEの構成銘柄では、航空機エンジン大手ロールス・ロイスが5.85%高、産金大手フレスニロが4.53%高、産銅大手アントファガスタが4.53%高と急伸。一方、エネルギー大手SSEは2.73%安、送電大手ナショナル・グリッドは2.62%安、通信大手ボーダフォンは2.46%安と売られた。

 

 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 19002.38(+290.89)

19日のドイツ株価指数(DAX)は反発した。終値は前日比290.89ポイント(1.55%)高の1万9002.38と、2日以来約2週間ぶりに最高値を更新した。米連邦準備理事会(FRB)が18日に大幅な利下げを決定。利下げが米経済を下支えするとの見方から、投資家心理が強気に傾いた。

個別では、セメント大手ハイデルベルク・マテリアルズが4.41%高、製薬大手バイエルが3.74%高、航空機大手エアバスが3.70%高とけん引した半面、電力大手RWEは3.84%安、エネルギー大手イーオンは2.62%安、不動産大手ボノビアは2.42%安で取引を終えた。

 

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7615.41(+170.51)

フランスの株価指数CAC40は高級ブランドなどの消費関連株を中心に買いが広がり、前日比2.29%高で終えた。

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