7日のNYダウ工業株30種平均は続伸した。前日比156ドル00セント(0.40%)高の3万8677ドル36セントと3営業日ぶりに過去最高値を更新した。米経済のソフトランディング(軟着陸)期待や米企業業績の改善を好感した買いが優勢だった。
朝方は米主要経済指標などの手掛かりが限られたものの、好調な内容が相次ぐ米企業決算を好感し、ダウは取引序盤から買い優勢で推移。インフレ抑制を目的とした米利上げにもかかわらず、国内景気に対する楽観的な見方が根強く、マイクロソフトなどハイテク株が買われる中、終日堅調な値動きを維持した。
米利下げの見通しを探る上でクグラー理事ら米連邦準備制度理事会(FRB)高官の発言が伝わったが、前日同様にこの日も相場への影響は限られた。国内総生産(GDP)、雇用統計が強めの内容となった後、市場では次のマクロ経済指標として、来週発表の消費者物価指数(CPI)が注目されている。
前週から今週にかけて発表された1月の米雇用統計や同サプライマネジメント協会(ISM)非製造業(サービス業)景況感指数などが市場予想以上の米景気の強さを示した。米連邦準備理事会(FRB)による早期の利下げ観測が後退する半面、米経済が底堅さを維持していることが好感された。
主要企業がこれまでに発表した決算も好意的に受け止められている。ダウ平均の構成銘柄ではないが、6日夕〜7日朝にかけて自動車のフォード・モーターや配車サービスのウーバーテクノロジーズが発表した2023年10〜12月期決算は売上高などが市場予想を上回った。QUICK・ファクトセットによると主要企業が発表済みの第4四半期決算では約7割で1株利益が市場予想を上回っており、24年は年間で10%前後の増益が見込まれている。
S&P500種株価指数が午後に一時4999と、5000の大台に近づいた。人工知能(AI)普及の恩恵を受ける主要ハイテクや半導体株を中心に上昇の勢いが強く、一部投資家が相場全体の上げに乗り遅れまいと買いを入れた。S&P500種は前日比40.83ポイント(0.82%)高い4995.06と過去最高値で終えた。
ダウ平均の構成銘柄ではソフトウエアのマイクロソフトやホームセンターのホーム・デポ、医療保険のユナイテッドヘルス・グループが買われた。一方、6日夕に10〜12月期決算とあわせて公表した利益見通しが慎重と受け止められたバイオ製薬のアムジェンは大幅安だった。
ナスダック総合株価指数は続伸した。前日比147.646ポイント(0.94%)高の1万5756.644と、22年1月以来の高値で終えた。交流サイトのメタプラットフォームズや画像処理半導体のエヌビディアの上昇が目立った。
【シカゴ日本株先物概況】
7日のシカゴ日経平均先物は上昇した。3月物は前日比310円高の3万6280円で終えた。
同日の米株式相場でダウ工業株30種平均が最高値を更新。ハイテク株に買いが広がり、続伸した。
投資家心理が上向き、日経平均先物にも買いが活発となった。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て) 36280 ( +150 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て) 36305 ( +175 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7628.75(-52.26)
7日のFTSE100種総合株価指数は反落し、前日比52.26ポイント(0.68%)安の7628.75で終えた。同業を買収すると公表した住宅建設の英バラット・ディベロップメンツが大幅安となるなど、個別の材料を踏まえた銘柄への売りが指数を下押しした。
FTSEの構成銘柄では、3年間で10億ポンド規模のコスト削減策を発表した流通大手セインズベリーが6.06%安と下げを主導。住宅大手バラット・デベロップメンツが5.47%安、通信大手ボーダフォンが3.97%安で続いた。一方、段ボール大手スマーフィット・カッパは3.55%高、包装資材大手DSスミスは2.97%高、航空機エンジン大手ロールス・ロイスは1.60%高だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 16921.96(-111.28)
7日のドイツ株価指数(DAX)は反落し、前日比111.28ポイント(0.65%)安の1万6921.96で終えた。前日に最高値を更新していたとあって、利益確定などの売りが出た。不動産や金融株が下げ、指数の重荷となった。
DAXの構成銘柄ではないが、中堅銀行のドイツ・ファンドブリーフバンク株が前日比5.7%安となった。商業用不動産の市況悪化に伴う引当金の積み増しが響き、2023年12月期通期の税引き前利益が従来見通しの下限にとどまったと公表した。
個別では、ドイツ銀行が5.58%安、郵便・物流大手ドイツポストが5.21%安、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズが5.12%安と売られた半面、医療機器のザルトリウスは2.42%高、ハノーバー再保険は1.72%高、自動車大手BMWは1.62%高で取引を終えた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7611.26(-27.71)
フランスCAC40種指数は0.36%安だった。各指数とも史上最高値圏で推移しており、利益確定の売りも出やすかった。
