12日のNYダウ工業株30種平均は反発した。前週末比125ドル69セント(0.32%)高の3万8797ドル38セントと最高値で終えた。米経済がソフトランディング(軟着陸)に向かうとの期待が相場を押し上げた。半面、ハイテク株を中心に利益確定売りが出たのは相場の重荷だった。
13日に米消費者物価指数(CPI)の公表を控える中、序盤は様子見ムードで小動きだった。一方、生成AIの普及拡大見通しが支えとなり、インテルやエヌビディアなどハイテク株の買いが膨らんだ。景気の軟着陸見通しも相まって、ダウの上げ幅は一時250ドルを超えた。
市場関係者は「悪い材料が出てこない限り相場の高止まり状態は続きそうだ」(日系証券)と指摘した。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、先週に好決算を発表した英半導体設計のアーム・ホールディングスは一時4割高と大幅に上昇。他の半導体株も強含み、ナスダック総合株価指数は午前に一時1万6080と2021年11月に付けた最高値を上回った。その後は主力株に利益確定売りが出て下げに転じ、前週末比48.119ポイント(0.30%)安の1万5942.545で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムが下げ、取引時間中には半導体のエヌビディアに時価総額で逆転される場面があった。
スポーツ用品のナイキや金融のゴールドマン・サックス、工業製品・事務用品のスリーエムが上昇した。半面、顧客情報管理のセールスフォースやソフトウエアのマイクロソフト、スマートフォンのアップルは下げた。
【シカゴ日本株先物概況】
12日のシカゴ日経平均先物は上昇した。3月物は前週末比315円高の3万7470円で終えた。この日は米ダウ工業株30種平均
は、生成AI(人工知能)関連企業の成長期待が広がり、反発した。
最高値を更新するなど米株式相場が上昇基調を維持。外国為替市場での円安・ドル高傾向も輸出の採算改善への期待につながり、日経平均先物の買いを誘った。
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7573.69(+1.11)
12日のFTSE100種総合株価指数は4営業日ぶりに小幅反発し、前週末比1.11ポイント(0.01%)高の7573.69で終えた。南太平洋の仏領ニューカレドニアで仏社と共同運営するニッケル事業について、不採算を理由に売却する方針を示したスイスのグレンコアなど資源株に買いが入り、指数を支えた。
半面、一部金融機関が目標株価を引き下げたと伝わった英アストラゼネカなど医薬品株には売りが出て、指数の重荷となった。FTSE100種指数は前週末終値を下回って推移する場面も目立った。
内需関連の比率が高い中型株指数のFTSE250は不動産株などの上昇を支えに前週末比0.7%高で終えた。
FTSEの構成銘柄では、高級衣料のバーバリーが5.07%高と上昇率トップ。小売大手フレイザーズ・グループが4.98%高、オンライン食品販売大手が4.60%高と続いた。一方、航空機エンジン大手ロールス・ロイスが2.83%安、製薬大手アストラゼネカが2.66%安、製薬大手GSKは2.02%安だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 17037.35(+110.85)
12日のドイツ株価指数(DAX)は反発し、前日比110.85ポイント(0.65%)高の1万7037.35で終えた。12日のドイツなど欧州の長期金利低下や、米株式相場が上昇基調を保っていることが支えとなった。不動産や金融、素材関連など幅広い業種・銘柄に買いが入った。
風力DAXの構成銘柄ではないが、このところ売りが続いていた商業用不動産向け融資を手掛ける中堅銀行の独ファンドブリーフバンクの株価は6営業ぶりに反発した。
個別では、一部金融機関が目標株価を引き上げたと伝わったエネルギー大手シーメンス・エナジー(5.72%高)や防衛大手ラインメタル(3.65%高)、通販大手ザランド(3.40%高)が買われた半面、製薬大手サルトリアス(2.59%安)や航空機大手エアバス(0.35%安)などが売られた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7689.80(+42.28)
フランスCAC40種指数は0.56%高だった。好調な米株につれて欧州株も上昇。不動産株や小売り関連株が押し上げ要因となった。
