ダウ急反落697ドル安、金融引き締め長期化懸念

 

21日のNYダウ工業株30種平均は大幅に反落し、前営業日の17日に比べて697ドル10セント(2.1%)安の3万3129ドル59セントで終えた。1日の下げ幅としては昨年12月中旬以来の大きさだった。

 
 
先週、米消費者物価指数(CPI)などで根強いインフレ圧力が確認されたのを受け、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ長期化への懸念が再び広がり、長期金利の指標である10年物国債利回りが上昇。長期金利が一時3.96%と昨年11月以来の水準に上昇した(前週末終値は3.82%)。
 
金利上昇で割高感が意識されやすいハイテク株への売りが膨らみ、ダウは取引序盤から売り先行で推移した。
 
 
また、米小売り大手の決算や見通しが市場予想を下回り、米景気や企業業績への先行き不透明感が広がった。米長期金利が上昇し、株式の相対的な割高感が意識されたのも相場の重荷となった。ダウ平均の下げ幅は700ドルを超える場面があった。
 
 
ホームセンターのホーム・デポは21日朝発表した2022年11月〜23年1月期決算で売上高が市場予想を下回り、24年1月期通期が減益になるとの見通しも示した。小売りのウォルマートは24年1月期の1株利益見通しが市場予想に届かなかった。ホーム・デポは約7%下げ、ダウ平均を150ドル近く押し下げた。映画・娯楽のウォルト・ディズニーやスポーツ用品のナイキなど消費関連株に売りが広がり、景気敏感株の一角にも下げが波及した。
 
ロシアのウクライナ侵攻に終結の兆しがみえず、地政学リスクが投資家心理を冷やしたとの指摘もあった。バイデン米大統領が20日にウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪問し、長期的な支援への決意を示した。一方、ロシアのプーチン大統領は21日にウクライナ侵攻を継続する考えを示した。米ロの対立激化が世界経済の不透明要因として意識された。
 
ナスダック総合株価指数は3日続落し、前営業日比294.971ポイント(2.5%)安の1万1492.301で終えた。電気自動車のテスラや動画配信のネットフリックスなどの下げが目立った。
 

【シカゴ日本株先物概況】

21日のシカゴ日経平均先物は下落した。3月物は前営業日の17日と比べ250円安の2万7255円で引けた。

 
NYダウは、米金融引き締め長期化懸念が根強い中、急反落した。
 
市場ではインフレの高止まりを背景に長期金利が4%近くまで上昇。主要な株価指数が大幅安となり、日経平均先物にも売りが出た。
 
 
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
27255 ( -195 )
 
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
27260 ( -190 )
 
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7977.75(-36.56)

21日のFTSE100種総合株価指数は反落した。前日に比べ36.56ポイント(0.46%)安の7977.75で終えた。英長期金利の上昇が株式相場の重荷となった。指数が前日に最高値を更新した後で、主力銘柄の一部には利益確定目的の売りも出やすかった。素材関連のほか、不動産やエネルギーの売りが目立った。

構成銘柄の約7割が下落。個別では、資源大手のアングロ・アメリカンは5%超下落した。南アフリカ共和国の子会社が鉄鉱石の生産見通しを引き下げたことを受け、売りが膨らんだ。パーシモンが3.5%安、資源商社のグレンコアが3.2%安で続いた。

一方、金融大手HSBCホールディングスは4.3%高、医療機器大手スミス・アンド・ネフューは4.2%高、航空・防衛大手BAEシステムズは2.0%高だった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15397.62(-79.93)

21日のドイツ株価指数(DAX)は3日続落し、前日比79.93ポイント(0.52%)安の1万5397.62で終えた。同日の債券市場ではドイツの長期金利が上昇し、金利の動きに敏感な不動産株やハイテク株などに売りが出た。
個別では、エネルギー大手シーメンス・エナジーが2.6%安、スポーツ用品大手アディダスが2.4%安、医療機器のザルトリウスが2.1%安と下げた半面、電力大手RWEは2.1%高、産業ガス大手リンデは1.0%高、日用品大手ヘンケルは0.9%高と買われた。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7308.65(-26.96)

フランスCAC40種指数は0.37%安だった。

 

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