ダウ急反発700ドル高、利上げ長期化懸念後退

6日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比700ドル53セント(2.1%)高の3万3630ドル61セントで終えた。

朝方発表された昨年12月の雇用統計によると、景気動向を敏感に反映する非農業部門就業者数は前月比22万3000人増と、増加幅は11月から鈍化。平均時給伸び率も前月から減速し、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げが労働市場の需給逼迫緩和につながったとの見方が広がった。

米サプライ管理協会(ISM)の12月の米サービス業購買担当者景況指数(PMI)も前月から低下し、2020年5月以来2年7カ月ぶりにサービス業の景況拡大と縮小の分岐点である50を割り込んだ。また、11月の米製造業受注も市場予想を下回る低調な内容だった。

ダウは雇用統計を受けて取引序盤から買いが先行。PMIなども利上げ長期化の警戒感を緩める結果となり、終日堅調な展開を維持した。

一連の経済指標の発表を受け、米長期金利は一時3.5%台後半と前日終値(3.72%)から大幅に低下し、株式の相対的な割高感も和らいだ。景気敏感株への買いが目立ち、化学のダウや航空機のボーイングが4%高となった。スポーツ用品のナイキやクレジットカードのビザなど消費関連株も高い。ハイテク株ではスマートフォンのアップルが4%上昇した。

ナスダック総合株価指数も反発し、前日比264.053ポイント(2.6%)高の1万0569.294で終えた。主力株が軒並み買われ、エヌビディアやブロードコムなど半導体関連株の上げが目立った。

バイオ製薬のバイオジェンは3%高で終えた。米食品医薬品局(FDA)が6日、日本のエーザイと共同開発するアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」について承認申請を認めると発表し、好感した買いが入った。

 


【シカゴ日本株先物概況】

6日のシカゴ日経平均先物は上昇した。3月物は前日比480円高の2万6160円で引けた。朝方に発表された2022年12月の米雇用統計で賃金インフレの減速が確認された。米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めの長期化への懸念が和らぎ、幅広い銘柄が買われた。NYダウ工業株30種平均が大幅に上昇し、日経平均先物にも買いが及んだ。

シカゴ日経225先物3月限 (円建て)

26160 ( +230 )
 
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
26195 ( +265 )
 
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

6日のFTSE100種総合株価指数は4日続伸した。前日に比べ66.04ポイント(0.87%)高の7699.49と、2018年8月以来4年5カ月ぶりの高値で引けた。中国の経済活動が正常化することへの期待感が根強いなか、商品相場の上昇を手がかりに、指数寄与度の高い資源株やエネルギー株への買いが続いた。

個別では、鉱業大手アングロ・アメリカンが5.7%高と上昇率トップ。金属相場の上昇を好感し、資源株が上げを主導した。

■ドイツ・フランクフルト株価指数

6日のドイツ株価指数(DAX)は反発した。前日に比べ173.71ポイント(1.20%)高の1万4610.02と、7カ月ぶりの高値で終えた。6日発表の2022年12月のユーロ圏景況感指数が前月から改善したほか、ユーロ圏の消費者物価指数の上昇率が市場予想を下回るなど、景気悪化への懸念が後退した。6日の米株高も投資家心理を押し上げ、素材やハイテクなど幅広い銘柄に買いが入った。

個別では、エネルギー大手シーメンス・エナジー(5.3%高)や自動車部品大手コンチネンタル(2.9%高)が買われた。

■フランス・パリ株価指数

フランスCAC40種指数は1.47%高だった。

米雇用統計を受け、米利上げの長期化観測が後退したことに支えられ、幅広い銘柄に買いが入った。

 

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