ダウ小幅8日続伸、0.86ドル高と連日の最高

米株式市場でNYダウ工業株30種平均は小幅に8日続伸。前週末比86セント高の3万7306ドル02セントと、連日で過去最高値を更新した。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が相場を支えた。半面、足元で上昇が目立った景気敏感株などへの利益確定売りが上値を抑えた。

米経済指標など相場に影響を与える大きな材料がなく、積極的な売り買いは控えられた。ダウの上値は重たかったものの、来年早期の利下げ期待が相場を支えた。

18日にシカゴ連銀のグールズビー総裁やクリーブランド連銀のメスター総裁などのFBR高官から市場の早期利下げ観測をけん制する発言が相次いだのも、やや投資家心理を冷やした。15日にはニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁がFRBが早ければ3月にも利下げの動くとの市場の臆測に対し、「考えるのも時期尚早」との見解を示していた。

 

ダウ平均では日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)や小売りのウォルマートといった出遅れ感のある銘柄に買いが入った。顧客情報管理のセールスフォースなどハイテク株の一角も高い。一方、半導体のインテルや航空機のボーイングなどが売られた。金融のゴールドマン・サックスも安い。

ナスダック総合株価指数は8日続伸した。前週末比90.893ポイント(0.61%)高の1万4904.813と22年1月以来の高値で終えた。アナリストが目標株価を引き上げた動画配信のネットフリックスが高い。交流サイトのメタプラットフォームズや画像処理半導体(GPU)のエヌビディアも上げた。

S&P500種株価指数は反発し、前週末比21.37ポイント(0.45%)高の4740.56と22年1月以来の高値を更新した。

 

【債券】

ニューヨーク債券市場で長期債相場は下落した。長期金利の指標となる表面利率4.500%の10年物国債利回りは前週末比0.02%高い(価格は安い)3.93%で終えた。FRB高官による発言を受け、市場の早期利下げ期待が後退。債券の売りにつながった。

【為替】
ニューヨーク外国為替市場で円相場は1ドル=142円台後半で推移した。米長期金利の上昇を受けて、日米の金利差に着目した円売り・ドル買いの動きが優勢だった。

【シカゴ日本株先物概況】

18日のシカゴ日経平均先物は上昇した。2024年3月物は前週末比90円高の3万2720円で終えた。
NYダウは、材料難となる中を8営業日続伸した。同日の米株式相場が底堅く推移し、日経平均先物も堅調だった。

 

シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
32720 ( +20 )


シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
32795 ( +95 )

 
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】
 

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7614.48(+38.12)

18日のFTSE100種総合株価指数は反発し、前週末に比べ38.12ポイント(0.50%)高の7614.48で終えた。原油先物相場の上昇を背景に英BPなどエネルギー株が買われた。イタリア事業について、同業との合併や売却を含めて検討していると公表した英ボーダフォン・グループの上昇も目立った。

18日のロンドン原油市場(ICEフューチャーズ)で北海ブレント先物相場は一時、前週末終値と比べ3%あまり上昇した。紅海で武装組織による船舶への攻撃が活発になっていることから、BPが紅海を経由した全ての航行を当面見合わせる方針だと伝わると、原油先物は上げ幅を広げた。

FTSEの構成銘柄では、賭け屋大手エンテインが4.11%高、通信大手ボーダフォンが3.88%高、同業エアテル・アフリカが2.63%高。半面、産金大手フレスニロは5.23%安、住宅大手バークリー・グループは3.37%安、同業バラット・デベロップメンツは2.54%安となった。
 
 
 

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 16650.55(-100.89)

18日のドイツ株価指数(DAX)は5日続落し、前週末比100.89ポイント(0.60%)安の1万6650.55で終えた。18日に伝わったスロベニア中銀総裁らの発言をきっかけに、欧州中央銀行(ECB)は利下げ方針への転換に慎重だということが改めて意識され、投資家心理の重荷となった。

18日発表の12月のドイツのIfo企業景況感指数が11月から悪化し、市場予想も下回った。欧州経済に懸念が根強く、このところ買われていた自動車株に売りが出た。公益や不動産関連の銘柄も下げた。

個別では、ドイツ取引所が1.69%高、香料大手シムライズが1.45%高、素材化学大手コベストロが1.42%高と買われる一方、エネルギー大手シーメンス・エナジーは3.25%安、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズは2.48%安、エネルギー大手イーオンは2.28%安で取引を終えた。

 

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7568.86(-28.05)

フランスCAC40種指数は0.37%安だった。欧州中央銀行(ECB)についても早期利下げに否定的な高官のコメントが伝わり、金融緩和期待から買い進まれてきた銘柄を手放す動きが優勢となった。

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