10日のNYダウ工業株30種平均は小幅に続落し、前日比39ドル73セント安の2万3422ドル21セントで終えた。
税制改革案を巡る上下院の違いから年内の同法案成立に懐疑的な見方が広がっており、投資家心理の悪化が相場の上値を抑えた。
決算発表が終盤を迎えた米主要企業の業績は総じて良好で、下落幅は限定的だった。ダウ平均は週間で9月初旬以来9週ぶりに下落した。
前日までに上下院がまとめた税制改革案は、法人減税の実施時期などで内容が大きく異なった。与党共和党の内部で反発が予想される項目も含まれ、市場では審議の難航が警戒されている。
本日はベテランズ・デーの振替休日で債券市場が休場となり、株式相場も終日閑散取引となった。
もっとも、下値は限られた。映画・娯楽のウォルト・ディズニーが2%あまり上げてダウ平均を下支えした。前日夕の四半期決算にあわせて低価格で動画配信サービスを提供する方針を示し、好感された。
ナスダック総合株価指数は小反発し、前日比0.886ポイント高い6750.939で終えた。
セクター別では、食品・生活必需品小売やメディアが上昇する一方でヘルスケア機器・サービスや医薬品・バイオテクノロジーが下落した。
個別では、17年8~10月期決算で、既存店売上高が市場予想を下回った百貨店のノードストロームは横ばいで終えた。
アマゾン(AMZN)による医療分野への進出に関するアナリストレポートを受けて、バクスターインターナショナル(BAX)やメドトロニック(MDT)、医療保険のヒューマナ(HUM)など医療関連銘柄が軒並み下落した。
一方で、百貨店のJCペニー(JCP)は売上高が予想を上振れたほか、赤字幅の縮小が好感され、大幅上昇。半導体のエヌビディア(NVDA)は1株利益が予想上限を上回り、堅調推移となった。前日夕に発表した四半期決算を受けてこの日はアナリストの投資判断引き上げが伝わり、終値でも5%超上げた。11日の「独身の日」の大規模セールが中国で始まり、ネット通販最大手アリババ集団が小幅に上げた。
NYダウ工業株30種(ドル)
23,422.21-39.73
S&P500種2,582.30-2.32
ナスダック
6,750.939+0.886
米10年債利回り(%)
2.402 +0.071
米2年債利回り(%)
1.6582 +0.025
NY原油(ドル/バレル)
56.90-0.27
円・ドル
113.53 – 113.57 +0.02
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は続落した。12月物は前日比180円安の2万2465円で取引を終え、大阪取引所の終値を55円下回った。米株式市場でダウ工業株30種平均が下落したのが嫌気され、日経平均先物にも売りが出た。米上下両院で税制改革の審議が難航するとの警戒感も重荷になった。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
22465 ( -55 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
22485 ( -35 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100種総合株価指数は続落。前日終値に比べ51.11ポイント安の7432.99で引けた。構成銘柄の約7割が下落した。配送のブンズルとファッションのバーバリー・グループを筆頭に小売り関連株とエネルギー株を中心に売りが広がった。週末を控えて取引を手じまいの動きなどから、午後にかけて下げ幅を広げた。
ブンズルは6%超安となり、下げを主導した。総合ヘルスケアのNMCヘルスも続落した。10月の英国内の消費活動の低迷を示す民間機関の調査結果を手掛かりに小売り株が軒並み下落した。なかでもマークス・アンド・スペンサー(M&S)とアソシエーテッド・ブリティッシュ・フーズの下落が目立った。
電力のSSEや石油株などエネルギー株も売りに押された。午前は全面高だった鉱業株の一部が週末を控えた利益確定の売りで下落に転じた。
半面、前日下落した住宅建設株が買い戻された。なかでもアナリストが目標株価を引き上げたバラット・ディベロップメンツが高かった。スーパーマーケットのセインズベリー、テーマパーク運営のマーリン・エンターテイメンツも上げた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
ドイツ株式指数(DAX)は続落。終値は前日比55.09ポイント安の13127.47だった。
放送大手のプロジーベンザット1メディアと医薬・化学大手のメルク、重電のシーメンスが下落。いずれもアナリストが目標株価を引き下げた。
一方、アディダスが大幅高となったほか、ドイツ銀行と航空のルフトハンザが上げた。
■フランス・パリ株価指数
フランスCAC40 5407.67 -0.08
