ダウ小幅続落10ドル安、アップル、エネルギー株が下押し

3日のNYダウ工業株30種平均は小幅に続落し、前営業日の12月30日に比べ10ドル88セント安の3万3136ドル37セントで終えた。

この日はアップルが急落。投資判断引き下げのほか、同社製品の需要減退に関する一部報道が嫌気され、同社の時価総額は終値で2兆ドルを下回った。昨年1月には世界で初めて3兆ドルの大台に乗せていた。

取引序盤のダウは買いが先行したが、買い一巡後はアップルに加え、原油相場安を眺めて売られた石油大手シェブロンが下げを主導。ただ、昨年大幅安となったウォルト・ディズニーやスリーエムなどに買いが入り、終盤に下げ幅を縮小した。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、テスラは一時15%安と急落した。前日に発表した2022年10~12月期の販売台数が市場予想を下回り、失望売りが出た。

スマートフォンのアップルと電気自動車のテスラが大幅に下げ、投資家心理を冷やした。主力2銘柄の下げが相場のムードに影響した。アップルは部品納入業者に対して生産縮小を要請したと前日に伝わり、業績懸念の売りに押された。

米連邦準備理事会(FRB)の積極的な利上げで、今年は米景気が後退局面入りするとの懸念がくすぶっている。前月に下げが目立った消費関連株や景気敏感株の一角に打診的な買いが入り、ダウ平均は午後に下げ渋る場面もあったが、買いの勢いは限られた。

今週は12月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨や、12月の米雇用統計の発表など重要イベントを控える。内容を見極めたい投資家が多く、相場の方向感が欠けた面もあった。

医療保険のユナイテッドヘルス・グループや飲料のコカ・コーラなどディフェンシブ株の下げた。原油安で石油のシェブロンも安い。半面、前週まで下げがきつかった航空機のボーイングなど景気敏感株の一角は上昇した。映画・娯楽のウォルト・ディズニーも高い。

ナスダック総合株価指数は続落した。前営業日比79.497ポイント(0.8%)安の1万0386.985で終えた。アップルとテスラの下げが響いた。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体関連株も下げた。

半面、アナリストが買い推奨のリポートを出したネット通販のアマゾン・ドット・コムは2%高で終えた。


【シカゴ日本株先物概況】

3日のシカゴ日経平均先物は反発した。3月物は前営業日比45円高の2万5780円で引けた。スマートフォンのアップルと電気自動車のテスラが大幅に下げ、投資家心理を冷やした。週内に主要な米経済指標の発表など重要イベントを控え、様子見ムードも強かった。NYダウ工業株30種平均は小幅に続落したが、日経平均先物への影響は限られた。

シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
25780 ( -210 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
25815 ( -175 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

FTSE100 7554.09(+102.35)
3日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前営業日の2022年12月30日に比べ102.35ポイント(1.37%)高の7554.09で引けた。中国での新型コロナウイルス規制の撤廃で、感染拡大が懸念される一方、同国の経済活動が本格的に再開することへの期待が強い。銀行株やエネルギー株、資本財株など景気敏感な銘柄に買いが入った。3日の中国株高も投資家心理を押し上げた。
 
個別では、航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスが6.1%高と上昇率トップ。オンライン食品販売オカド・グループ(5.2%高)や住宅大手パーシモン(4.6%高)、保険大手プルーデンシャル(4.4%高)も買われた。
 一方、エネルギー小売大手セントリカ(4.8%安)やエネルギー大手SSE(2.8%安)は売られた。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14181.67(+112.41)
3日のドイツ株価指数(DAX)は続伸し、前日に比べ112.41ポイント(0.80%)高の1万4181.67で終えた。3日発表のドイツの2022年12月の消費者物価指数(CPI)上昇率が前年同月比で鈍化した。インフレ圧力の緩和とドイツ長期金利の低下を好感し、幅広い銘柄に買いが入った。
 
個別では、スポーツ用品大手アディダス(3.3%高)やエネルギー大手シーメンス・エナジー(2.7%高)などが買われた。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6623.89(+29.32)
 
フランスCAC40種指数は0.44%高だった。景気の先行きへの不透明感は強いものの、幅広い銘柄に買いが入った。
 

 

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