6日のNYダウ工業株30種平均はほぼ横ばいで、前日比2ドル57セント高の3万3485ドル29セントで終えた。
同日発表の労働関連の指標が市場の想定より悪く、米景気の先行き不安が高まったことから売りが出た。半面、米長期金利の低下を背景にハイテク株が買われ、指数を下支えした。
朝方明らかになった週間の米新規失業保険申請件数は22万8000件と市場予想(20万件)を上回った。
今週これまでの米雇用関連指標でも労働市場の過熱感の弱まりが示唆されており、景気減速への警戒感が台頭。米連邦準備制度理事会(FRB)による急激な金融引き締め政策の影響が実体経済に表われているとの見方が広がり、ダウは軟調に推移した。
ただ、ダウ平均の下げ幅は最大でも160ドル弱にとどまった。労働市場の減速がインフレ圧力を低下させ、米連邦準備理事会(FRB)が利下げに転じる時期が早まるとの観測が相場を支えた。
個別では、米長期金利の低下を受け、相対的な割高感が薄れた高PER(株価収益率)のハイテク株が上昇。ソフトウエアのマイクロソフトとスマートフォンのアップルが高い。一方、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスやスポーツ用品のナイキなど消費関連株への売りが目立った。
ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反発した。前日比91.095ポイント(0.8%)高の1万2087.957で終えた。検索エンジンに対話型人工知能(AI)機能を搭載すると伝わったアルファベットの上昇が目立った。
【シカゴ日本株先物概況】
6日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前日比65円安の2万7630円で引けた。
翌日発表される米雇用統計を控えて様子見ムードが広がる中、NYダウ平均は小幅続伸した。
米景気の先行き不安から6日の日本の日経平均先物が下げた流れを受けて売りが優勢となった。NYダウ平均が底堅い動きをみせると、日経平均先物も下げ幅を縮めた。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
27630 ( +100 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
27695 ( +165 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7741.56(+78.62)
6日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前日に比べ78.62ポイント(1.03%)高の7741.56と、3月10日以来ほぼ1カ月ぶりの高値で終えた。6日、2023年1~3月期に液化天然ガス(LNG)の生産量が増える見通しを示したエネルギー大手のシェルが2%高となり、指数を押し上げた。
金融システム不安への警戒感が薄れるなか、英国の景気懸念が和らいでおり、金融株や消費者サービスなど幅広いセクターが上昇した。
個別では、自動車保険のアドミラル・グループが4.5%高と上昇率トップ。学生向け住宅の開発・運営を手掛けるユナイト・グループが3.8%高、商業用不動産大手ランド・セキュリティーズが3.4%高で続いた。
一方、医療機器会社コンバテックは2.3%安、投資会社メルローズ・インダストリーズは2.0%安、生活用品大手レキット・ベンキーザーは1.7%安。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15597.89(+77.72)
6日のドイツ株価指数(DAX)は反発した。前日に比べ77.72ポイント(0.50%)高の1万5597.89で終えた。6日発表のドイツの2月鉱工業生産が前月比2.0%上昇と、市場予想を大幅に上回った。エネルギー危機の回避や中国の経済活動再開などで、ドイツ経済に対する悲観的な見方が後退し、ヘルスケア株のほか資本財株や化学株の一角が買われた。金融株も高い。
個別では、不動産大手ボノビアが6.0%高と急伸したほか、香料大手シムライズが4.0%高、コメルツ銀行も2.3%高。半面、総合電機大手シーメンスは2.0%安、通信大手ドイツテレコムは1.9%安、化粧品大手バイヤスドルフは1.2%安と売られた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7324.75(+8.45)
フランスCAC40種指数は0.12%高だった。
米景気の先行き懸念が広がる中、引き続き不動産などディフェンシブ株を中心に買いが入った。
