8日のNYダウ工業株30種平均は小幅に3日ぶりに反落し、前日比46ドル40セント(0.1%)安の3万1338ドル15セントで終えた。
朝方発表の6月の米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を上回った。朝方発表された6月の雇用統計によると、非農業部門の就業者数は前月比37万2000人増加し、市場予想(26万8000人増)を大きく上回ったほか、失業率は3.6%で横ばい。米連邦準備制度理事会(FRB)による積極的な金融引き締めを正当化する内容と、当初受け止められた。
FRBが大幅な利上げに動きやすくなるとの観測から売りが出た。ただ、米景気自体は底堅いとみた買いでダウ平均は上昇する場面もあり、前日終値を挟んでもみ合った。
ダウ平均は午前に172ドル安まで下げた。ただ、朝方の売り一巡後は買いが優勢になる場面もあり、ダウ平均は一時126ドル高まで上昇した。雇用統計で米労働市場の力強さが示され、景気後退局面入りの懸念が後退。市場では「米経済のソフトランディング(軟着陸)への期待が浮上した」との声があった。来週13日発表の6月の米消費者物価指数(CPI)を見極めたい投資家も多く、積極的な売り買いは控えられた。
取引時間中は強弱感が対立し、前日終値を挟んだ値動きとなった。景気敏感株が総じて売り優勢だったほかは物色の傾向もはっきりしなかった。景気敏感株も下値では押し目買いが入り、下げ幅は小さい。ハイテク株はまちまちだった。
ダウ平均の構成銘柄ではドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス、化学のダウ、娯楽・映画のウォルト・ディズニーが安い。半面、医療保険のユナイテッドヘルス・グループ、クレジットカードのアメリカン・エキスプレス、スマートフォンのアップルが高い。
ナスダック総合株価指数は小幅に5日続伸し、前日比13.962ポイント(0.1%)高の1万1635.308で終えた。電気自動車のテスラが買われた。検索サイトのアルファベットや半導体株の一角も上昇した。
NYダウ工業株30種(ドル)
31,338.15-46.40
S&P500種
3,899.38-3.24
ナスダック
11,635.308+13.962
FTウィルシャー5000
39,587.27-38.84
NY金(ドル/トロイオンス)
1,742.30+2.60
NY原油(ドル/バレル)
104.80+2.07
円・ドル
136.09 – 136.11-0.02
【シカゴ日本株先物概況】
8日のシカゴ日経平均先物は続伸した。9月物は前日比125円高の2万6775円で引け、8日の大取終値を165円上回った。この日の米株式市場でナスダック総合株価指数が続伸し、日経平均先物の買いを支えた。8日発表の6月の米雇用統計が予想を上回る雇用の強さを示し、景気の底堅さが意識された。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
26775 ( +165 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
26815 ( +205 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
8日のFTSE100種総合株価指数は小幅に3日続伸した。前日に比べ7.16ポイント(0.10%)高の7196.24で引けたFTSEでは、指数構成銘柄の7割超が上昇。。原油先物相場の上昇で消費関連株やエネルギー株が買われた。一方、英経済の先行き悪化懸念は強く上値は重かった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
8日のドイツ株価指数(DAX)は3日続伸した。前日に比べ172.01ポイント(1.34%)高の1万3015.23で終えた。中国政府による景気対策への期待が続き、自動車株や化学株、工業株など幅広いセクターに買いが入った。
DAXでは、ポルシェ(6.1%高)やフォルクスワーゲン(5.9%高)など自動車関連株が堅調だった。
■フランス・パリ株価指数
フランスCAC40種指数は0.44%高だった。
景気後退への警戒感が和らぎ、買い戻しが優勢となった。6月の米雇用統計は市場予想を上回る強い結果となったが、欧州市場への影響は限られた。
