14日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比30ドル12セント(0.1%)高の3万1135ドル09セントで終えた。
前日の株式市場では、8月の米消費者物価指数(CPI)が前年同月比8.3%上昇と、市場予想を超える伸びとなり、インフレ圧力が依然強い現状を示したことで、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げペースを加速させるとの観測が台頭。ダウ平均の下げ幅は1200ドルを超え、今年最大を記録した。長期金利が上昇し、割高感が強まったハイテク株が大きく売られた。
この日は、前日に売り込まれた反動から、安値拾いの買いが入り、相場の下支えとなった。米労働省が朝方発表した8月の卸売物価指数(PPI)が前月比0.1%低下と、2カ月連続のマイナスとなり、市場予想と一致。「米経済の一部では、インフレが減速してることを示唆した内容」(英調査会社)となったことも、市場の安心感につながった。
ただ、米長期金利は朝方に一時3.47%と3カ月ぶりの高水準を付けた後は伸び悩み、前日終値近辺で推移した。長期金利の上昇が一服したのは投資家心理の支えとなった。ダウ平均は前日終値を挟んでもみ合う展開となり、午前中に171ドル高とこの日の高値に上昇し、午後には一時219ドル安まで下げる場面があった。
個別では医薬・日用品のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)や製薬のメルクなどディフェンシブ株が買われ、相場を支えた。原油高を受けて、石油のシェブロンも上昇した。一方、金融引き締めが景気を冷やすとの見方から景気敏感株の一角が売られた。ゴールドマン・サックスなど金融株も下げた。
ナスダック総合株価指数は反発し、前日比86.104ポイント(0.7%)高の1万1719.678で終えた。動画配信のネットフリックスと電気自動車のテスラが上昇した。
【シカゴ日本株先物概況】
14日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前日比90円高の2万7720円で引けた。
米利上げペースが加速するとの警戒感から前日に大幅下落した反動から、買い戻す動きが優勢となり、小反発した。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
27720 ( +70 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
27755 ( +105 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7277.30(-108.56)
14日のロンドン株式市場でFTSE100種総合株価指数は続落した。前日に比べ108.56ポイント(1.47%)安の7277.30で引けた。欧米の主要中央銀行による積極的な金融引き締め継続が世界的な需要の鈍化につながるとの警戒感から、資源株など幅広いセクターに売りが出た。
FTSEでは、オンライン食品販売オカド・グループが8.2%%安と前日に続いて大きく下げたほか、資産運用大手アバディーン(4.6%安)や住宅大手バークリー・グループ(4.5%安)も売られた。原油高を好感し、石油大手シェル(0.6%高)や同BP(0.2%高)は堅調だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13028.00(-160.95)
14日のフランクフルト株式市場でドイツ株価指数(DAX)は続落した。前日に比べ160.95ポイント(1.22%)安の1万3028.00で終えた。欧米の主要中央銀行による大幅利上げの継続がドイツ景気の悪化につながるとの観測が強まった。化学株や資本財株に売りが出た。天然ガス価格の上昇も投資家心理を悪化させた。
DAXでは、素材化学大手コベストロ(3.8%安)や化学大手BASF(3.3%安)が売られた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6222.41(-23.28)
フランスCAC40種指数は0.37%安だった。
前日発表された8月の米消費者物価指数(CPI)が強い結果となったことで、米国の積極的な利上げ観測を嫌気し、売りが先行した。