ダウ小反発25ドル高、週末控え持ち高調整 

18日のNYダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに小反発し、前日比25ドル83セント(0.1%)高の3万4500ドル66セントで終えた。

ダウ平均はこの日、前日終値と比べ約100ドル安で取引を開始。相場を動かすような経済指標の発表などがなく、プラス圏とマイナス圏を行き来する方向感のない展開となった。
一般消費財、ヘルスケアといったディフェンシブ株のほか、原油高を受けエネルギー株が上昇した。一方、中国景気への懸念を背景に、中国事業の占める割合が比較的高い銘柄などが下げた。
長期金利はこの日、やや一服したものの高止まりしており、ハイテク企業が中心のナスダックは下落した。

ダウ平均は週間で780ドル安だった。週間の下げ幅としては3月6~10日(1481ドル安)以来の大きさだった。

取引開始直後にはダウ平均の下げ幅が200ドルを超える場面があった。経営再建中の中国不動産大手、中国恒大集団が17日、ニューヨークで連邦破産法第15条の適用を申請した。このところ中国の経済指標が総じて低調ななか、不動産企業の経営問題が再燃し、投資家心理を冷やした。

米債券市場では長期金利が依然として高水準で推移している。米景気の底堅さを背景に、米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めが長期化するとの見方が強く、高PER(株価収益率)のハイテク株を中心に、相対的な割高感を意識した売りも出やすかった。

半面、値ごろ感の出た消費関連株や景気敏感株の一角に買いが入り、相場を支えた。市場では「夏季休暇を取る市場参加者も多く、薄商いな日だった」との声も聞かれた。

ダウ平均の構成銘柄では、小売りのウォルマートやクレジットカードのビザが上昇。石油のシェブロン、ネットワーク機器のシスコシステムズなども買われた。半面、バイオ製薬のアムジェンや日用品のジョンソン・エンド・ジョンソンなどが下げた。

ナスダック総合株価指数は4日続落した。前日比26.156ポイント(0.2%)安の1万3290.776で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムや交流サイトのメタ・プラットフォームズなどが下げた。一方、前日に5~7月期決算を発表した半導体製造装置のアプライドマテリアルズ(AMAT)は上昇した。
 


【シカゴ日本株先物概況】

18日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前日比80円高の3万1460円で終えた。米株式市場では中国経済の先行き不透明感などから下げて始まったNYダウ工業株30種平均が上昇に転じた。一般消費財、ヘルスケアといったディフェンシブ株のほか、原油高を受けエネルギー株が上昇した。
投資家の過度なリスク回避姿勢が和らぎ、日経平均先物にも買いが入った。

シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
31460 ( -10 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
31475 ( +5 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
18日のFTSE100種総合株価指数は6日続落した。前日に比べ47.78ポイント(0.65%)安の7262.43と、7月7日以来約1カ月半ぶりの安値で取引を終えた。
週間ベースでは3.48%安。
中国不動産企業の経営不安や同国経済の低迷に対する不安から、需要懸念が強まり資源セクターに売りが出た。銀行や資本財など景気敏感銘柄も売られた。

FTSEの構成銘柄では、通信大手エアテル・アフリカが4.40%安と下落幅トップ。工業・電子製品大手RSグループが3.52%安、産銅大手アントファガスタが3.30%安と続いた。一方、たばこ大手ブリティッシュ・アメリカン・タバコが1.53%高、テスコが1.30%高だった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
18日のドイツ株価指数(DAX)は続落した。前日に比べ102.64ポイント(0.65%)安の1万5574.26と、7月6日以来約1カ月半ぶりの安値で取引を終えた。(週間は1.63%安)

中国不動産セクターの混乱が投資家心理を冷やした。根強い欧米の主要中央銀行による金融引き締め長期化観測も重荷だった。不動産やヘルスケア、消費財など幅広いセクターが売られた。

個別では、製薬大手サルトリアスが3.75%安、通販大手ザランドが3.68%安、エネルギー大手シーメンス・エナジーが2.45%安と売られた。

■フランス・パリ株価指数
フランスCAC40種指数は0.38%安(同3.63%安)だった。

 
世界的に長期にわたり金利が高水準にとどまるとの見方も強まり、投資家心理が悪化した。
 

 

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