4日のNYダウ工業株30種平均は小幅に反発し、前日比10ドル15セント高の3万7440ドル34セントで終えた。2023年12月のADP全米雇用リポートは非農業部門の雇用者数が前月比16万4000人増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(13万人増)を上回った。週間の新規失業保険申請件数は市場予想を下回り、米労働市場の底堅さを示したとの受け止めが広がった。取引終了にかけては利益確定売りも出た。
前日のダウは売り込まれたが、この日は取引序盤から製薬大手メルクなどに買いが入り、午前の前日終値比での上げ幅は一時280ドルを突破。ただ、米長期金利の指標である10年物国債利回りが4%を超えると、ハイテク株に売りがかさみ、ダウは上値を削る展開に転じた。
中盤以降は翌日公表される注目の雇用統計を控え、動意に欠けた値動きとなったが、終盤に上げ幅を縮小し、辛うじてプラス圏で取引を終えた。朝方に複数の労働関連指標が明らかにされたが、相場への影響は限られた。
製薬のメルクやバイオ製薬のアムジェンといったディフェンシブ株が上昇した。クレジットカードのアメリカン・エキスプレスと金融のJPモルガン・チェースも買われた。半面、大幅な減配を発表したドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスが5%安だった。アナリストが投資判断を引き下げたスマートフォンのアップルも安かった。
ナスダック総合株価指数は5日続落した。前日比81.911ポイント(0.56%)安の1万4510.300で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムとネット検索のアルファベットが下げた。
【債券】
4日のニューヨーク債券市場で長期債相場は反落した。長期金利の指標となる表面利率4.500%の10年物国債利回りは前日より高い(価格は安い)4.00%前後で終えた。米労働指標の底堅さから米連邦準備理事会(FRB)による24年内の利下げ観測が後退し、債券は売りが優勢となった。
【為替】
4日のニューヨーク外国為替市場で円相場は続落し、前日比1円30銭前後円安・ドル高の1ドル=144円60銭近辺で取引を終えた。米雇用関連指標が市場予想を上回る内容だったのを受け、米経済の底堅さを期待したドル買いが優勢となった。米利下げの実施観測がいったん後退し、日米金利差の拡大を意識した円売り・ドル買いも根強かった。
【シカゴ日本株先物概況】
【欧州株式市場】
午前中はエネルギー株の上昇がFTSE100種指数を押し上げていた。だが、米国でガソリン在庫の増加を示す統計が発表された後に原油先物相場が下げに転じると、エネルギー株も伸び悩んだ。
4日のドイツ株価指数(DAX)は反発し、前日比78.90ポイント(0.47%)高の1万6617.29で終えた。同日発表の景気指標を受けて欧州景気に対する懸念が和らいだ。
個別では、コメルツ銀行が3.99%高、防衛大手ラインメタルが2.73%高、エネルギー大手シーメンス・エナジーが2.47%高と買われた半面、通販大手ザランドが4.13%安、製薬大手サルトリアスが3.14%と売られた。
