8日のNYダウ工業株30種平均は小反発し、前日比13ドル01セント高の2万1797ドル79セントで終えた。
週末にフロリダ州に上陸する可能性が高いハリケーン「イルマ」が、米経済に与える影響を見極めたいとの思惑や北朝鮮情勢の緊迫化で投資家のリスク選好姿勢が後退し、売りが先行した。短期的な経済や相場への影響が警戒されている。
債務上限引き上げ・政府運営資金を抱き合わせたハリケーン被害救済法案が下院を通過し、政治リスクが解消したほか、長期金利の低下が一服し、金融株に買い戻しが見られたが相場を押し上げるには至らなかった。
この日は住宅などの補修が増えるとの見方からホームセンターのホーム・デポが買われた。保険金支払いが膨らむとの警戒感で売られてきた保険株は買い直され、保険のトラベラーズも大幅上昇。2銘柄でダウ平均を45ドル近く押し上げた。
ただ米株を買い上げる材料には乏しく、ダウ平均は朝方を中心に下げる場面もあった。9日には北朝鮮が建国記念日を迎える。ミサイル発射などを強行しかねないとの警戒感があり、相場の上値は重かった。
NY連銀のダドリー総裁が朝方に米経済番組のインタビューで「次の利上げの具体的な時期を判断するには早すぎる」と発言。市場では年内の利上げ観測が後退している。米長期金利の低下が続くとの見方から、金融株などには積極的に買いを入れづらいとの指摘がある。
ナスダック総合株価指数は3日ぶりに反落し、前日比37.677ポイント低い6360.192で終えた。アップルやアマゾン・ドット・コムなど主力株をはじめ、半導体株などの下げが目立った。
セクター別では、保険やヘルスケア機器・サービスが上昇する一方でテクノロジー・ハード・機器や食品・生活必需品小売が下落した。
個別では、AIGやオールステートなど保険株が総じて上昇。ホームセンターのロウズも買われた。足の末梢動脈疾患の治療方式について日本の厚生労働省から承認を受けたと発表した医療機器のメドトロニックが高い。バイオ医薬品のアッヴィやアイルランドの製薬大手アラガンなどヘルスケア関連の上げが目立った。
アパレルのラルフローレン(RL)はクレディ・スイスによる投資判断引き上げが好感され、上昇した。
信用情報大手のエキファックス(EFX)が前日、ハッカーによる侵入による大規模な顧客データの流出を発表。サイバーセキュリティーの必要性が高まるとの思惑からセキュリティーソフト大手のシマンテックが買われた。
信用情報大手のエキファックス(EFX)は1億4300万人分の顧客データが流出し、大幅下落。
食品小売のクローガーは長期の業績見通しの発表を取りやめ、軟調推移。ディスカウントストアのターゲット(TGT)は数千に及ぶ商品の値下げを発表し、ネット小売のアマゾン(AMZN)が食料品店のホールフーズの買収したことによる競争激化が意識され、売られた。
米連邦地裁が8日、同社特許の対価を巡ってアップルが起こした訴訟の継続を認める判断を下した。
NYダウ工業株30種(ドル)
21,797.79+13.01
S&P500種
2,461.43-3.67
ナスダック
6,360.192-37.677
米10年債利回り 2.051 ( +0.009 )
NY原油(ドル/バレル)47.56-1.53
円・ドル107.79 – 107.80-1.20
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は続落した。9月物に代わり中心限月になった12月物は前日比120円安の1万9150円で引け、同日の大取終値を10円上回った。
大型ハリケーン「イルマ」が米フロリダ州に接近しており、米景気先行きに警戒感が広がった。北朝鮮情勢への懸念もあり、リスク回避の円買いで円高が進み、日本株には逆風となった。この日の12月物安値は1万9090円、高値は1万9280円。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
19150 ( +10 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
19200 ( +60 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
構成銘柄の半数以上が下落した。
主力の鉱業株が下落し、指数の重荷になった。一方で午後にかけて金融株に買い戻しが入り、下げ幅を縮小した。
金属相場の下落を受けて鉱業株が全面安で引けた。なかでもBHPビリトンやアントファガスタ、アングロ・アメリカンが大幅下落し、指数の下げを主導した。
前日上昇した医薬品株と公益事業株、ソフトウエア開発のマイクロフォーカスは利益確定目的の売りなどで下落した。グラクソ・スミスクラインはアナリストが投資判断と目標株価を引き下げたことも売り材料視された。
パーシモンなど住宅建設株も下げた。個別銘柄では小売りのキングフィッシャーとマークス・アンド・スペンサー(M&S)が安かった。
半面、前日下落した銀行株が買い戻され全銘柄が上昇した。バークレイズとロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)が高かった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
ドイツ株式指数(DAX)は小幅ながら4日続伸した。終値は前日比7.35ポイント高の12303.98だった。
タタ製鉄との合併観測を背景に鉄鋼のティッセン・クルップが上昇。欧州の長期金利の上昇を受けてコメルツ銀行も高かった。ミュンヘン再保険やドイツ銀行も上げた。一方で、放送大手のプロジーベンザット1メディアや化学のバイエルが下落した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40指数 5,113.49 -1.13
