1日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比597ドル65セント(1.8%)安の3万3294ドル95セントで終えた。
ロシア軍はこの日、ウクライナ北東部の第2の都市ハリコフに対し、包囲部隊が市街地に集中的な砲撃を加えたもようだ。首都キエフではテレビ塔が攻撃された。
ロシアとウクライナの代表団は前日に停戦交渉を行い、交渉継続で合意したが、その行方は不透明だ。欧米や日本の対ロ金融制裁による経済的な影響への警戒感もくすぶる中、ダウ平均は軟調に推移した。
ロシアが侵攻するウクライナの首都キエフや第2の都市ハリコフで両軍の攻防が激化している。ロシア軍の攻撃が一般市民に対しても無差別に広がっているとも伝わった。ロシア軍の長蛇の車列がキエフに接近しているとの報道もあり、ウクライナ情勢の一段の悪化が警戒された。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、国際エネルギー機関(IEA)加盟国が備蓄石油6000万バレルの協調放出で合意したものの、世界的なエネルギー危機を警戒した買いが膨らんで急伸。米国産標準油種WTIの中心限月4月物は一時106.78ドルと、2014年6月下旬以来約7年8カ月ぶりの高値を付けた。
インフレ圧力の高まりによる購買力の低下などで、「世界経済の成長率の鈍化につながる」と懸念された。これを受け、シェブロンやエクソンモービルなどのエネルギー関連銘柄が上昇した。
相対的に安全資産とされる米国債は買われ、米長期金利は一時1.68%と前日比0.14%低下した。利ざや縮小の思惑からJPモルガン・チェースは4%安、ゴールドマン・サックスは3%安となった。バンク・オブ・アメリカなど他の金融株も総じて下落した。自社の決済網からロシアの複数の銀行を排除する方針を明らかにしたクレジットカードのビザが下落し、同業のアメリカン・エキスプレスも大幅安となった。航空機のボーイングや機械のハネウェル・インターナショナルなど景気敏感株の下げも目立った。
ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落し、前日比218.940ポイント(1.6%)安の1万3532.459で終えた。交流サイトのメタプラットフォームズ(旧フェイスブック)など主力ハイテク株が下落した。供給網の混乱の観測から、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やエヌビディアなど半導体株が全般に下げた。
NYダウ工業株30種(ドル)
33,294.95-597.65
S&P500種
4,306.26-67.68
ナスダック
13,532.459-218.940
FTウィルシャー5000
44,116.28-698.23
NY金(ドル/トロイオンス)
1,900.70+13.10
NY原油(ドル/バレル)
106.34+10.62
円・ドル
114.88 – 114.94-0.15
【シカゴ日本株先物概況】
1日のシカゴ日経平均先物は続落した。3月物は前日比225円安の2万6425円で引け、1日の大取終値を455円下回った。
ウクライナ情勢を警戒する売りが続いた。ロシアのウクライナ侵攻が激しさを増し、西側諸国の制裁も一段と強まる中、投資家のリスク回避姿勢が広がった。原油高や対ロシア制裁が世界景気の減速を招くとの警戒感が広がった。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
26425 ( -455 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
26435 ( -445 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7330.20(-128.05)
1日のFTSE100種総合株価指数は続落した。前日に比べ128.05ポイント(1.72%)安の7330.20で引けた。ロシアがウクライナへの攻撃を激化させており、ウクライナ情勢への警戒が一段と強まった。欧米政府によるロシアへの厳しい制裁措置で同国の信用不安が高まり、連鎖的に金融市場が動揺する懸念からリスク資産である株式の持ち高を減らす動きが出た。銀行株やエネルギー株の下落が目立った。
FTSEでは、前日にも暴落したロシア関連の産金・産銀会社ポリメタル・インターナショナル(26%安)、鉄鋼大手エブラズ(29%安)がこの日もそれぞれ急落した。両社はFTSE100の採用銘柄から近く除外される見通しだ。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13904.85(-556.17)
1日のドイツ株価指数(DAX)は続落し、前日比556.17ポイント(3.85%)安の1万3904.85と約1年ぶりの安値で終えた。ロシアがウクライナへの攻撃を強めており、情勢の一段の緊迫化が投資家心理を冷やした。欧米を中心としたロシアへの厳しい経済制裁で、ロシア経済の混乱がドイツなど欧州経済に悪影響をもたらすと懸念した売りも出た。
欧州航空機大手エアバスが9.7%安と大幅安だった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6396.49(-262.34)
フランスCAC40種指数は3.94%安となった。ロシアとつながりの深い仏金融大手ソシエテ・ジェネラルが9.4%の急落となった。
