17日のNYダウ工業株30種平均が5営業日ぶりに大幅反落した。
前日比274ドル14セント安の2万1750ドル73セントで終え、下げ幅は5月17日以来3カ月ぶりの大きさとなった。
トランプ米大統領の人種問題を巡る発言に対して批判が強まっており、政権運営の不透明感を嫌気した売りが広がった。スペインのバルセロナでテロ事件が発生したのも市場心理を冷やし、アップルやゴールドマン・サックスなど値に売りが加速した。
ダウ平均は取引終了にかけて下げ幅を拡大した。
四半期決算が失望を誘った小売りのウォルマート・ストアーズやIT機器のシスコシステムズなどが大きく下げたのもダウ平均を下押しした。
また、スペインでテロと見られる車の暴走事件が発生。米政治の不透明感などで地合いが悪化していたため「一気にリスク回避ムードが強まった」(大手証券)といい、ダウは下落基調をたどった。
ナスダック総合株価指数も大幅反落し、同123.195ポイント安の6221.914で終えた。
個別銘柄は、シスコシステムズが4%安、ウォルマートが1.6%安、ゴールドマン・サックスが1.9%安、アップルが1.9%安、センチュリーリンクが7.2%安、ユナイテッド・ステーツ・スチール(USスチール)が3.4%安だった。
NYダウ工業株30種(ドル)
21,750.73-274.14
S&P500種
2,430.01-38.10
ナスダック6,221.914-123.195
NY原油(ドル/バレル)
47.00+0.22
円・ドル
109.53 – 109.54 -1.33
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は続落した。9月物は前日比230円安の1万9480円で終え、大阪取引所の終値を200円下回った。
コーン国家経済会議委員長が辞任するとの噂が流れるなど、トランプ米大統領の人種問題を巡る発言で政権の混乱が続いた。
ホワイトハウスは噂を否定したものの、米株安や円高の勢いは止まらず、日経平均先物が売られた。この日の9月物の安値は1万9470円、高値は1万9725円。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
19925 ( -15 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
19940 ( 0 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100種総合株価指数は4営業日ぶりに反落した。前日終値に比べ45.16ポイント安の7387.87で引けた。
銀行株中心に売りが広がり、構成銘柄の約7割が下落した。
米利上げ観測の後退で、金利の変動に敏感な銀行株が軒並み売られた。スタンダードチャータード銀行とロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)の下げが目立った。
保険株も売られ、アドミラル・グループは前日の大幅下落に続き、この日も下げが目立った。配当権利落ちのリーガル・アンド・ゼネラル(L&G)の下げも大きくなった。
小売りのキングフィッシャーは、四半期減収が嫌気され約4%下がった。航空のイージージェットと、小売りのマークス・アンド・スペンサー(M&S)、ブックメーカー(賭け屋)のパディパワー・ベットフェアも売られた。
半面、金価格の上昇を背景に、関連のフレスニージョとランドゴールド・リソーシズは買われた。シャイアーなど医薬品株も上がった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
ドイツ株式指数(DAX)は4営業日ぶりに反落した。終値は前日比60.40ポイント安の12203.46だった。
米利上げ観測の後退で、金利の変動に影響を受けやすい銀行株が売られ、ドイツ銀行とコメルツ銀行の下げが目立った。ハイデルベルクセメントも下落した。一方で、電力のRWEと透析器大手のフレゼニウス・メディカル・ケアは上昇した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5121.67 +60.76
