ダウ反落939ドル安、ハイテクに売り

 
 
29日のNYダウ工業株30種平均は3日ぶりに急反落し、前日比938ドル99セント安の3万2977ドル40セント(速報値)で終えた。28日夕に四半期決算を発表したネット通販のアマゾン・ドット・コムが大幅安となり、投資家心理が悪化した。他のハイテク株に売りが波及したほか、米金融引き締めや世界景気の減速懸念も相場の重荷となり、ダウ平均の下げ幅は取引終了間際に1000ドルを超える場面もあった。
 
アマゾンが28日夕に発表した2022年1~3月期決算は、保有する電気自動車(EV)メーカー株の評価損を計上し、7年ぶりの赤字に転落。ネット通販の売り上げも減少した。グーグルの持株会社アルファベットも減益。過去最高益を更新したアップルも、サプライチェーン(供給網)混乱や半導体不足などのリスクが顕在化しつつあり、業績見通しの不透明感が強まっている。
ダウ平均の構成銘柄では顧客情報管理のセールスフォースやソフトウエアのマイクロソフトがつれ安した。
 
スマートフォンのアップルも安い。28日夕に発表した22年1~3月期決算で売上高などが市場予想を上回ったが、決算説明会で供給制約による4~6月期の売り上げの機会損失を指摘し、嫌気された。前日夕に四半期決算と同時に発表した4~6月期の売上高見通しが市場予想を下回った半導体のインテルも大幅安となった。
 
米商務省が朝方発表した3月の個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比6.6%上昇と、約40年ぶりの高水準となった。
米連邦準備理事会(FRB)は5月3~4日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で通常の倍に当たる0.5%の利上げと、保有資産の縮小開始を決定する見通し。0.5%の利上げ実施となれば、00年5月以来となる。積極的な金融引き締めに対する警戒感から、リスク資産である株式を売る動きが続いた。中国での新型コロナウイルスの感染拡大によるサプライチェーン(供給網)への影響や、ウクライナ紛争に伴う世界景気の先行き不透明感も株売りにつながったとの指摘があった。
 
ナスダック総合株価指数は反落した。前日比536.888ポイント安の1万2334.640(速報値)で終え、年初来安値を更新した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
32,977.21-939.18
S&P500種
4,131.93-155.57
ナスダック
12,334.640-536.888
FTウィルシャー5000
42,037.15-1,565.33
NY金(ドル/トロイオンス)
1,911.70+20.40
NY原油(ドル/バレル)
104.11-1.25
円・ドル
129.84 – 129.86-1.02
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

29日のシカゴ日経平均先物は反落した。6月物は前日比545円安の2万6730円で引け、28日の大取終値を140円下回った。米株式市場では、決算や見通しが弱く、ハイテク株の下落さらに主要株価指数が大幅に下落したのを嫌気引けにかけては下げ幅を拡大した。日経平均先物にも売りが波及した。

 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)  26730 ( -140 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て) 26765 ( -105 )
※( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

29日のFTSE100種総合株価指数は4日続伸した。前日に比べ35.36ポイント(0.47%)高の7544.55で引けた。中国当局による景気対策への期待から商品相場が持ち直し、資源株に買いが入った。
FTSEの個別銘柄を見ると、英鉱業大手アングロ・アメリカンが3.8高、スイス資源大手グレンコアも2.9%高と資源株の一角が買われた。好決算の英製薬大手アストラゼネカは1.2%高だった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数

 
29日のドイツ株価指数(DAX)は3日続伸した。前日に比べ118.04ポイント(0.84%)高の1万4097.88で終えた。中国当局が景気の下支え策を打ち出すとの期待から、景気減速への過度な懸念が和らいだ。消費財や素材などが買われた。DAXでは独スポーツ用品大手プーマ(3.2%高)、同アディダス(2.7%高)が堅調。資金洗浄容疑で本店が捜索を受けたドイツ銀行は横ばいだった。
 
 

■フランス・パリ株価指数

フランスCAC40種指数は0.39%高だった。CACでは仏酒造大手ペルノ・リカールが2.1%高と締まった。
 

 

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