14日のNYダウ工業株30種平均は6営業日ぶりに反落した。前日比76ドル77セント安の2万4508ドル66セントで終えた。
米経済の力強さが改めて認識され、午前中は買いが優勢だった。朝方発表の11月の米小売売上高は前月比0.8%増と市場予想(0.3%増)以上に伸びた。10月分も上方修正された。週間の米新規失業保険申請件数も市場予想以上に減った。
ダウは3日連続で取引時間中の史上最高値を更新し、一時87ドル高を付けた。
しかし、前日に主要イベントの連邦公開市場委員会(FOMC)を終えた材料出尽くし感や連日の高値更新を背景に利益確定の売りが膨らみ、ダウはマイナス圏に転落。さらに、ルビオ上院議員ら共和党の一部議員が現状の税制改革法案には賛成票を投じないとの報が伝わると、年内成立への期待がしぼみ、ダウは下げ幅を広げた。
ナスダック総合株価指数は反落した。前日比19.273ポイント安の6856.526で終えた。マイクロソフトやアップルなど一部の主力株が売られて、相場の重荷となった。
セクター別では、メディアや小売が上昇する一方で自動車・自動車部品や食品・生活必需品小売が下落した。
個別では、市場予想を下回る10~12月期の1株利益見通しを公表した鉄鋼のニューコアも下げた。製薬のバリアント・ファーマシューティカルズ(VRX)やアパレルのギャップ(GPS)は一部アナリストによる投資判断引き下げを受け、下落した。
一方、映画・娯楽大手のウォルト・ディズニーによる事業買収の発表を受けてメディア大手の21世紀フォックスが高かった。ディズニーも上昇。イスラエルの製薬テバ・ファーマスーティカル・インダストリーズ(TEVA)は大規模な人員削減計画を発表し、大幅上昇。宝飾品のティファニー(TIF)はシティグループによる投資判断引き上げを受け、堅調推移した。
NYダウ工業株30種(ドル)
24,508.66-76.77
S&P500種
2,652.01 -10.84
ナスダック
6,856.526 -19.273
NY金(ドル/トロイオンス)
1,257.10 +8.50
NY原油(ドル/バレル)
57.16 +0.56
円・ドル
112.31 – 112.32 -0.45
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は続落。3月物は前日比100円安の2万2560円で取引を終えた。14日の大阪取引所の終値は70円下回った。
米税制改革の年内成立への不透明感などが意識され、米株式相場が午後にかけて下げに転じると、日本株先物も連れ安した。円高も重荷だった。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
22560 ( -70 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
22605 ( -25 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100種総合株価指数は続落した。前日13日の終値に比べ48.39ポイント安の7448.12で引けた。銀行株の下げが指数を押し下げ、構成銘柄の約7割が下落した。
金利動向に敏感な銀行株が全面安。イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の前日の会見が事前予想ほどタカ派的内容でなかったほか、欧州中央銀行(ECB)は14日に金融緩和スタンスを維持。英中銀イングランド銀行も2018年の利上げは緩やかになるとの見通しを示したことなどが売り材料となった。スタンダードチャータード銀行の下げが目立った。
たばこのブリティッシュ・アメリカン・タバコとインペリアル・ブランズの下落も株価指数の押し下げ要因となった。医薬品のグラクソ・スミスクラインとアストラゼネカも下がった。
資産運用の投資信託のスコティッシュ・モーゲージ・インベストメント・トラストは、アナリストによる株価目標引き下げが響いて3%超の下落だった。
半面、銅価格の上昇を背景に、鉱業関連株は買われた。ランドゴールド・リソーシズと資源商社のグレンコアの上げが目立った。
通信のBTグループは、アナリストによる投資評価引き上げが好感され上昇した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
ドイツ株式指数(DAX)は続落した。終値は前日13日に比べて57.56ポイント安の13068.08だった。
アナリストが株価目標を引き下げた電力のRWEは4%超下がった。ドイツ取引所も売られた。上昇したのは、ITのSAPなど5銘柄だけだった。アディダスは前日と変わらなかった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5357.14(-42.31)
