22日のNYダウ工業株30種平均は３営業日ぶりに反落した。前日比64ドル65セント安の２万3526ドル18セントで終えた。
前日に過去最高値を更新した後と感謝祭を明日に控えて閑散取引となる中、主要株価の最高値更新を受けて利益確定の売りが広がり、上値の重い展開となった。
米長期金利の低下を受けて利ざや縮小の思惑から金融株が売られ、相場の重荷になった。
10月の米耐久財受注が市場予想に反して前月比で1.2％減った。米長期金利が低下し、貸出金利と預金などの調達金利の差である利ざやの縮小が収益を圧迫するとの見方から金融株が下げた。
米連邦準備理事会（FRB）が午後に公表した10月31日～11月１日開催の米連邦公開市場委員会（FOMC）の議事要旨を受け、相場はやや下げ幅を縮小する場面があった。多くの参加者が「近い将来に政策金利を引き上げることは適切」とした一方、物価は「目標の２％を下回る状況が想定より長く続く可能性がある」と懸念していたことがわかった。先行きの利上げペースが緩やかになるとの思惑から、株式市場に資金流入が続くとの観測が支えになった。
ナスダック総合株価指数は小幅に３日続伸した。終値は前日比4.884ポイント高の6867.361と連日で過去最高値を付けた。クラウド事業で医療情報技術サービス会社と提携すると伝わったアマゾン・ドット・コムが上場来高値を更新。「iPhone」の廉価版の新モデルを発売する見通しが伝わったアップルも上昇し、指数を押し上げた。
セクター別では、電気通信サービスや小売が上昇する一方で自動車・自動車部品や半導体・半導体製造装置が下落した。
個別では、法人向けハードウエア・サービス事業のヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)は決算内容が嫌気されたほか、ホイットマンCEOの退任が報じられ、下落した。
PCメーカーのHPインク(HPQ)は主力のPC及びプリンター事業の成長性に懐疑的な見方が広がり、軟調推移した。
顧客情報管理（CRM）大手のセールスフォース・ドットコムは決算と併せて公表した業績見通しがやや慎重との見方から売りが出た。
一方、ゲーム小売のゲームストップ(GME)は決算内容が好感され、上昇。農業機械のディア(DE)は通期売上高が4年ぶりの増加となり、堅調推移となった。
米原油先物相場の上昇を受け、エクソンモービルやシェブロンなどに収益押し上げを見込んだ買いが入った。
ＮＹダウ工業株30種（ドル）
23,526.18－64.65
S&P500種2,597.08－1.95
ナスダック6,867.361＋4.884
米10年債利回り（％）
2.3205 -0.041
米2年債利回り（％）
1.7308 -0.045
ＮＹ原油（ドル/バレル）
57.98－0.04
円・ドル
111.28 – 111.29 ＋0.06
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は反落した。12月物は前日比265円安の２万2400円で取引を終えた。22日の大阪取引所の終値を180円下回った。同日のNYダウ平均が感謝祭の祝日を控えた利益確定売りで反落し、日経平均先物もつれて下げた。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
22400 ( -180 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
22410 ( -170 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100種総合株価指数は３日続伸した。前日21日の終値に比べ7.68ポイント高の7419.02で引けた。銀行株の上げが指数を押し上げる一方で、保険株の下げが上値を抑えた。上昇と下落の銘柄数はほぼ拮抗。英予算案が発表された午後は高値圏で推移した。
銀行株が買われた。スタンダードチャータード銀行は３％近く上昇した。不動産関連の融資部門を投資会社に売却するとの観測から買われた。HSBCホールディングスの上げも目立った。
銅と金の価格上昇で、リオ・ティントなど鉱業株も上がった。金関連のフレスニージョは４％超上昇した。原油高を背景に、石油のＢＰとロイヤル・ダッチ・シェルも堅調だった。
半面、プルーデンシャルなど保険株は売られた。たばこのブリティッシュ・アメリカン・タバコも下落した。
バークリー・グループやバラット・ディベロップメンツなど住宅建設株が軒並み大幅安となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
ドイツ株式指数（DAX）は３営業日ぶりに反落した。終値は前日比152.50ポイント安の13015.04だった。午後遅くに下げ幅が拡大した。
半導体のインフィニオンテクノロジーズとアディダス、航空のルフトハンザの下げが目立った。上昇したのは２銘柄だけだった。アナリストが投資判断を引き上げた電力のＲＷＥは買われた。工業用ガスのリンデも上がった。
■フランス・パリ株価指数
5363.82 -2.33(-0.04%)
